Framerとは?使い方完全ガイド:基本操作から高度な活用方法まで

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Framerとは?使い方完全ガイド:基本操作から高度な活用方法まで

投稿日:

2024.01.01

Webサイト制作の現場は、今まさに「効率」と「体験」の両立を求められています。これまでのようにデザイナーがモックを作り、エンジニアがコードを書き、公開まで数週間かかるプロセスはスピード競争の時代には合いません。スタートアップや新規事業では1週間単位での検証が当たり前になりつつあり、ツールに求められる役割も変わってきました。

Framerは、こうしたニーズに応える「オールインワン型Web制作ツール」です。ノーコードで体験を形にでき、しかもそのまま本番公開まで持っていける。つまり「作る→試す→改善する」を短いサイクルで回すことが可能になります。本記事では、Framerの基本操作から実務で効く応用まで、読みながら理解できる流れで解説していきます。ぜひ最後まで読んでください。

Framerとは?

Framerは、単なるデザインツールではなく「公開まで含めた制作基盤」です。特に以下の点で注目されています。

  • ノーコード中心:デザイナーやマーケターでも扱える

  • コード拡張可能:必要に応じてReactで高度な機能を追加

  • 一貫した運用:公開・ホスティング・SEO管理までUIで完結

Framerの概要と特徴

FramerはFigmaに近い直感的な操作感を持ちつつ、完成品がそのまま動くというのが最大の特徴です。例えば、ECサイトのキャンペーンページを半日で公開できるケースもあります。これまでのように「エンジニアに依頼して実装を待つ」必要がないため、プロジェクトのスピードが劇的に上がります。

他のデザインツールとの違い

FigmaやAdobe XDはあくまで「デザインデータの制作・共有」が中心です。Framerはその一歩先に進み、「実際に動く体験を作り、そのまま本番公開できる」ことが最大の違いです。

Figmaプラグインでデザインを取り込めるため移行はスムーズですが、Figmaの複雑なコンポーネントはFramerで再構成する必要が出てきます。その分、公開後の運用を想定した構造設計ができるため、実務ではむしろ効率的です。

利用できるプランと料金体系

Framerは複数の料金プランを提供しています。

特筆すべきは無料プランでも本番公開が可能な点です。まずは個人利用で試し、成果が出てきたら中位プランに移行するのが一般的です。上位プランではチーム権限や多言語サポートもあり、企業サイトやグローバル展開にも対応可能です。

  • 無料プラン:個人利用や検証、ポートフォリオに最適

  • 中位プラン:独自ドメインやSEO、フォーム機能が必要な成長中のサービスに適合

  • 上位プラン:多言語や高トラフィック対応、組織での本格運用向け

Framerの特徴とメリット

Framerを導入するメリットは「効率」と「表現力」の両方を高められることにあります。

ノーコードで本格的なWeb制作が可能

特にスタートアップでは、開発者リソースが不足する場面が頻発します。Framerを使えば、デザイナーが直接公開まで進められるため、エンジニアはコア機能開発に集中可能になります。

豊富なアニメーション・インタラクション機能

例えば採用ページで「応募フォーム直前に強調アニメーションを差し込む」と、応募完了率が上がることがあります。Framerではこれをノーコードで設定できるため、A/Bテストも容易です。

Figmaとの高い互換性

大規模案件では「Figmaでレビュー→Framerで実装」が自然な流れです。クライアントレビューをFigmaで行い、承認後にFramerで動きをつけて公開。レビューと公開が分断されないのが利点です。

公開・ホスティングまでワンストップ

クラウド配信のため、サーバー保守やセキュリティ管理に時間を取られることがありません。SSLやCDNが標準搭載され、安心して運用できます。

Framerの基本操作

Framerを効果的に使い始めるために、まずは「触って慣れる → 動きをつける → 公開まで進める」という流れを押さえるとスムーズです。最初の30分でキャンバスの基本操作に慣れ、次の30分でコンポーネント化まで到達できるのが理想的なペースです。

アカウント作成とワークスペースの設定

Framerにサインアップしたら、まずはワークスペースを作成し、新しいサイト(Site)を立ち上げます。テンプレートから始めても問題ありませんが、最初にヘッダーやヒーローエリアの構造を観察し、**Stacks(縦横の並びを自動調整する機能)やGrids(列ごとに配置を整える機能)**の使い方を理解しておくと後の作業が速くなります。

チームで作業する場合は、ページやCMS単位で編集権限を整理しておくとトラブル防止になります。さらに「On-Page Editing」を使えば、マーケティングやカスタマーサポートのメンバーが公開中のページを直接編集できるため、運用のスピードが上がります。

キャンバスとレイヤーの操作方法

Framerのキャンバスは階層構造になっており、フレーム(大枠のセクション) → スタック/グリッド → 要素という順で理解すると分かりやすいです。

  • スタックは要素を等間隔に配置したり、幅に応じて自動的に伸縮させるのが得意

  • グリッドは列ベースで整然と並べたいときに便利

迷ったときはまずスタックを使い、どうしても必要な部分だけグリッドを適用すると、破綻の少ない設計ができます。

テキスト・画像・シェイプの追加

テキストを配置する際は、最初に見出しと本文のサイズ(タイポスケール)を決め、最大幅を設定して行の長さを整えると読みやすくなります。画像はアップロード時に自動で軽量化されますが、**代替テキスト(alt属性)遅延読み込み(Lazy Load)**を設定すると、SEOやCore Web Vitals(Googleの表示速度指標)への対策にもつながります。

OG画像やファビコンの設定は、プロジェクトのメタ情報画面でまとめて管理できます。

コンポーネント化と再利用

繰り返し使うUIパーツはコンポーネント化しておくと効率的です。さらに**バリアント(状態の違いをまとめたもの)変数(文言や画像を差し替えられる機能)**を組み合わせれば、柔軟性を保ちながら再利用できます。

ナビゲーションやカード、CTAボタンのような要素は「セクションをまたいで共通で使う部品」に昇格させておくと、ABテストや多言語対応の際に差し替えが容易になります。

Framerで作るインタラクション

Framerの強みは、動きの設計が“作図”ではなく“挙動”として直感的に扱えることです。視線誘導・情報の分節・コンバージョン導線の明確化に直結します。

リンクとナビゲーションの設定

ページ間リンク、外部リンク、アンカーリンクを整理し、スクロール量に応じたヘッダーの出し入れや、現在地の強調を組み合わせます。パンくずやセクション内ジャンプは、長文LPの離脱点を減らす効果が高い構成です。

アニメーションとトランジション

“Appear(出現)”“Transition(遷移)”“Loop(繰り返し)”などのエフェクトを、セクション単位のScroll Variantsと併用すると、速度感は保ちながらも“必要な所でだけ”印象づけられます。Framerの公式レッスンとアップデート情報が、実装のベストプラクティスを体系化しています。

スクロール・ホバーなどのインタラクション設定

スクロールによる色/サイズ/配置の変化、ホバーによる奥行き表現は、カード密度の高いUIで有効です。FramerのEffectに加え、Reactのアニメーションライブラリ(Framer Motion)のジェスチャAPI(whileHover/whileTap/whileInViewなど)を理解しておくと、コード拡張時の表現幅が大きく広がります。

レスポンシブデザインの設定

レイアウトはスタック/グリッドで“破綻しにくい設計”に、ブレークポイントでは“余白と行長の最適化”に注力します。横幅の広いデバイスではグリッドで情報を面分けし、モバイルでは縦の分節とCTAの再掲で迷いを減らします。

ここまでで“つくる→動かす”の核を押さえました。続く章では、Code Components外部API連携SEO/公開チーム運用へ踏み込み、事業サイトの要件に耐える運用設計を仕上げます。

Framerの高度な活用方法

Framerは「ノーコードで素早く作る → 必要な部分だけコードで拡張する」という考え方で設計されています。この柔軟さが、実際の運用でよく起きる“ボトルネック”を取り除きます。特にSEO対策や公開フロー、チームでの共同作業といった領域で強みを発揮します。難しい実装はほとんどなく、手順と役割分担を整理することが安定運用のポイントです。

Code Componentsの利用

Framerはノーコードでの制作が中心ですが、どうしても独自の機能や特殊な表現が必要になる場面があります。そんなときに活躍するのがCode Components(コードコンポーネント)です。

FramerはReactベースで作られているため、開発者がReactのコンポーネントを追加すれば、デザイン上で配置して使えるようになります。たとえば、外部のチャットツールを埋め込んだり、地図や動画プレイヤーを独自にカスタマイズしたりといった拡張が可能です。

これにより、デザイナーは普段通りFramer上で作業を続けつつ、必要な部分だけ開発者がサポートするという分業がスムーズに行えます。つまり「ノーコードとコードのいいとこ取り」ができるのがFramerの強みです。

外部APIとの連携

Framerは外部のサービスやデータとつなげることもできます。これにより、単なる静的なページではなく、リアルタイムで情報が変わる動的なサイトを作ることが可能になります。

例えば:

  • 在庫や価格を外部APIから取得し、常に最新情報を表示するECサイト

  • 外部ブログサービスやヘッドレスCMSとつないで、記事を自動で反映するメディアサイト

  • 天気やニュースなど、日々変化するデータを呼び出すダッシュボード

データの更新頻度に応じて、「頻繁に変わる情報はAPI連携」「頻度が低い情報はFramer CMSで管理」と使い分けるのが効率的です。

こうしたAPI連携により、Framerは単なるデザインツールにとどまらず、本格的なWebアプリケーションの基盤としても活用できるようになります。

SEO設定と公開

FramerはSEOに必要な設定を標準機能で用意しています。

  • sitemap.xmlrobots.txtを自動生成

  • ページごとのメタタイトルやディスクリプションを入力可能

  • 構造化データ(JSON-LD)の追加もUIから簡単に設定可能

まずは全ページのメタ情報を入力し、検索エンジンに正しく認識される土台を整えます。

公開環境はAWSのCloudFrontやS3を利用しており、グローバルに高速配信が可能です。大規模サイトではGlobal Acceleratorの活用やセキュリティ強化も選べます。さらにGoogleが推奨するCore Web Vitals(LCP≤2.5秒、INP≤200ms、CLS≤0.1)を目安にし、Search Consoleで定期的に確認すると安定したSEO効果が得られます。

sitemapの生成やインデックス連携は自動で行われますが、canonical設定Search Consoleとの連携は手動でチェックする習慣を持つと、検索結果のブレを防げます。

チームでの共同作業

Framerでは、ワークスペースやプロジェクトごとに権限を設定できます。デザイン編集、コンテンツ更新、公開といった作業を役割ごとに分けられるので、責任範囲が明確になります。

また、複数人で同時に編集でき、Version Historyを使えば過去の状態に戻すことも可能です。2025年から追加されたOn-Page Editingを使うと、マーケティングやカスタマーサポートの担当者が公開中のページ上で直接テキストや画像を修正できるようになり、更新スピードが大きく向上しました。

さらに、多言語対応も簡単です。FramerのLocalization機能やWeglotといった外部サービスを使えば、言語ごとに文言や画像を切り替えられるので、翻訳や更新作業も効率的に行えます。

Framer活用事例

Framerは「作る」だけでなく、「検証 → 公開 → 改善」のサイクルを短く回せるのが特徴です。ここでは代表的な3つの使い方を紹介します。

ポートフォリオサイト

テンプレートをベースに、タイポスケールやグリッドを整えたうえで作品カードをバリアント化すると、見栄えと更新性を両立できます。公開後はOn-Page Editingを利用して、自己紹介文や受賞歴をその場で編集可能。Framerの公式ギャラリーには参考になる事例も豊富にあり、デザインのヒントが得られます。

ランディングページ

LPでは「ファーストビュー(折り返し部分)」の印象がCVRを左右します。FramerならヒーローエリアにコピーとCTAを配置し、スクロールや出現アニメーションを軽く加えるだけで、視線誘導が自然に行えます。テンプレートから始めればフォームやFAQも初めから整っているため、文章と証拠(顧客ロゴや実績)に集中できます。

プロトタイプから本番サイトまで

提案用のモックをFramerに移し、スタックやバリアントを駆使して体験を検証。そのままドメイン接続をして本番公開に移行できます。さらにCMSを組み合わせれば、リリースノートやブログも同じ基盤で運用でき、AWSのCDN配信により世界同時反映が可能です。

Framerの実例紹介

ここでは、実際にFramerを使った3つのプロジェクトを例にして紹介します。細かい技術用語はなるべく避け、要望から解決までの流れがわかるようにまとめました。

実例①:採用サイトをリニューアルしたデザイン会社

依頼は「会社の世界観はそのままに、応募までの流れを分かりやすくしたい」というものでした。

背景に使っていた動画は見づらかったため、シンプルな静止画に変更し、ページを下にスクロールすると段階的に情報が現れる仕組みにしました。その結果、最初に表示される部分がすっきりして読みやすくなり、応募までの到達率も上がりました。また、サイトの表示スピードも改善され、ユーザーにとって快適な体験につながりました。

実例②:こまめに改善を重ねるB2Bサービスのランディングページ

このチームは、週ごとにキャッチコピーや説明文を変更して効果を試していました。

Framerを導入したことで、マーケティング担当者が自分たちでページの文章や画像を直接修正できるようになり、ちょっとした改善にすぐ対応できるようになりました。大きなデザイン変更だけをデザイナーが担当する仕組みにしたため、チーム全体の作業効率が大幅に向上しました。さらに、更新履歴を残せるようにしたことで、どの変更が効果的だったか振り返りやすくなりました。

実例③:多言語で展開する製品紹介サイト

ある製品サイトは、日本語だけでなく英語や韓国語でも情報を発信する必要がありました。

Framerの機能を使い、言語ごとに文章や画像を切り替えられるようにしました。頻繁に変わる価格表などは外部のデータベースと連携し、その他の固定的な情報はCMSで管理。これにより「どの言語でも常に最新の情報が見られる」状態を保てました。さらに、検索エンジンにもそれぞれの言語版を正しく認識させることで、海外のユーザーにもきちんと情報が届くようになりました。

Framerを使うときの注意点とコツ

Framerは便利なツールですが、いざ運用を始めると「速度」「対応」「改善の継続」で差が出ます。大きなリニューアルをする前に、まずは小さくても効果のある改善を積み重ねるのが安定した運用につながります。

読み込み速度とパフォーマンスの最適化

Framerには画像を自動で最適化する機能(WebPやAVIFへの変換・サイズ調整)があり、さらに遅延読み込みにも対応しています。

ただし、最初に表示される画面(ファーストビュー)で重たい動画や過度な装飾を使いすぎると表示が遅くなるため注意が必要です。

また、CDNキャッシュを使うと表示速度が安定します。サイトに独自の要件がある場合は、リバースプロキシを利用してヘッダーやキャッシュの仕組みを調整することも可能です。

表示速度の改善効果を測定するには、Googleが推奨するCore Web Vitals(LCP/INP/CLS)を指標にしましょう。数値が「良好」とされる水準を満たすかを継続的に確認することが大切です。

ブラウザ対応の確認

Framerは基本的に主要ブラウザ(Chrome、Safari、Firefox、Edge)に対応しています。ただし、CSSの一部機能や動画の再生などではブラウザごとに挙動が異なることがあります。

そのため、新しい機能を使う際には「Can I use」といった対応状況を確認できるサイトや、Framerのサポート情報を参照し、必要に応じて代替表現(フォールバック)や演出の簡略化を検討すると安心です。

継続的な更新と改善

FramerのOn-Page Editingを使えば、小さな修正ならその場で反映できます。さらにVersion Historyを利用すると、更新履歴を管理でき、誤った変更があってもすぐに戻せます。

公開後は、Google Search Consoleを使ってインデックス状況や構造化データ、Core Web Vitalsを定期的にチェックしましょう。**「編集 → 測定 → 学習」**というサイクルを止めないことが、長期的に成果を出すための鍵です。

まとめ

Framerは、設計 → 体験設計 → 公開を最短ルートでつなげるユニークなプラットフォームです。ノーコードで動くサイトをすぐに作り、必要に応じてコードで拡張。SEOや配信、権限管理、多言語対応まで一貫して扱えます。

運用では、速度改善・ブラウザ確認・継続改善の3つを意識することが重要です。特にCore Web Vitalsの指標を基準にし、On-Page Editingと履歴管理を活用すれば、改善を止めずに回し続けられます。これこそが「Framerの使い方」を成功に導くポイントです。

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2024.01.01

Webサイト制作の現場は、今まさに「効率」と「体験」の両立を求められています。これまでのようにデザイナーがモックを作り、エンジニアがコードを書き、公開まで数週間かかるプロセスはスピード競争の時代には合いません。スタートアップや新規事業では1週間単位での検証が当たり前になりつつあり、ツールに求められる役割も変わってきました。

Framerは、こうしたニーズに応える「オールインワン型Web制作ツール」です。ノーコードで体験を形にでき、しかもそのまま本番公開まで持っていける。つまり「作る→試す→改善する」を短いサイクルで回すことが可能になります。本記事では、Framerの基本操作から実務で効く応用まで、読みながら理解できる流れで解説していきます。ぜひ最後まで読んでください。

Framerとは?

Framerは、単なるデザインツールではなく「公開まで含めた制作基盤」です。特に以下の点で注目されています。

  • ノーコード中心:デザイナーやマーケターでも扱える

  • コード拡張可能:必要に応じてReactで高度な機能を追加

  • 一貫した運用:公開・ホスティング・SEO管理までUIで完結

Framerの概要と特徴

FramerはFigmaに近い直感的な操作感を持ちつつ、完成品がそのまま動くというのが最大の特徴です。例えば、ECサイトのキャンペーンページを半日で公開できるケースもあります。これまでのように「エンジニアに依頼して実装を待つ」必要がないため、プロジェクトのスピードが劇的に上がります。

他のデザインツールとの違い

FigmaやAdobe XDはあくまで「デザインデータの制作・共有」が中心です。Framerはその一歩先に進み、「実際に動く体験を作り、そのまま本番公開できる」ことが最大の違いです。

Figmaプラグインでデザインを取り込めるため移行はスムーズですが、Figmaの複雑なコンポーネントはFramerで再構成する必要が出てきます。その分、公開後の運用を想定した構造設計ができるため、実務ではむしろ効率的です。

利用できるプランと料金体系

Framerは複数の料金プランを提供しています。

特筆すべきは無料プランでも本番公開が可能な点です。まずは個人利用で試し、成果が出てきたら中位プランに移行するのが一般的です。上位プランではチーム権限や多言語サポートもあり、企業サイトやグローバル展開にも対応可能です。

  • 無料プラン:個人利用や検証、ポートフォリオに最適

  • 中位プラン:独自ドメインやSEO、フォーム機能が必要な成長中のサービスに適合

  • 上位プラン:多言語や高トラフィック対応、組織での本格運用向け

Framerの特徴とメリット

Framerを導入するメリットは「効率」と「表現力」の両方を高められることにあります。

ノーコードで本格的なWeb制作が可能

特にスタートアップでは、開発者リソースが不足する場面が頻発します。Framerを使えば、デザイナーが直接公開まで進められるため、エンジニアはコア機能開発に集中可能になります。

豊富なアニメーション・インタラクション機能

例えば採用ページで「応募フォーム直前に強調アニメーションを差し込む」と、応募完了率が上がることがあります。Framerではこれをノーコードで設定できるため、A/Bテストも容易です。

Figmaとの高い互換性

大規模案件では「Figmaでレビュー→Framerで実装」が自然な流れです。クライアントレビューをFigmaで行い、承認後にFramerで動きをつけて公開。レビューと公開が分断されないのが利点です。

公開・ホスティングまでワンストップ

クラウド配信のため、サーバー保守やセキュリティ管理に時間を取られることがありません。SSLやCDNが標準搭載され、安心して運用できます。

Framerの基本操作

Framerを効果的に使い始めるために、まずは「触って慣れる → 動きをつける → 公開まで進める」という流れを押さえるとスムーズです。最初の30分でキャンバスの基本操作に慣れ、次の30分でコンポーネント化まで到達できるのが理想的なペースです。

アカウント作成とワークスペースの設定

Framerにサインアップしたら、まずはワークスペースを作成し、新しいサイト(Site)を立ち上げます。テンプレートから始めても問題ありませんが、最初にヘッダーやヒーローエリアの構造を観察し、**Stacks(縦横の並びを自動調整する機能)やGrids(列ごとに配置を整える機能)**の使い方を理解しておくと後の作業が速くなります。

チームで作業する場合は、ページやCMS単位で編集権限を整理しておくとトラブル防止になります。さらに「On-Page Editing」を使えば、マーケティングやカスタマーサポートのメンバーが公開中のページを直接編集できるため、運用のスピードが上がります。

キャンバスとレイヤーの操作方法

Framerのキャンバスは階層構造になっており、フレーム(大枠のセクション) → スタック/グリッド → 要素という順で理解すると分かりやすいです。

  • スタックは要素を等間隔に配置したり、幅に応じて自動的に伸縮させるのが得意

  • グリッドは列ベースで整然と並べたいときに便利

迷ったときはまずスタックを使い、どうしても必要な部分だけグリッドを適用すると、破綻の少ない設計ができます。

テキスト・画像・シェイプの追加

テキストを配置する際は、最初に見出しと本文のサイズ(タイポスケール)を決め、最大幅を設定して行の長さを整えると読みやすくなります。画像はアップロード時に自動で軽量化されますが、**代替テキスト(alt属性)遅延読み込み(Lazy Load)**を設定すると、SEOやCore Web Vitals(Googleの表示速度指標)への対策にもつながります。

OG画像やファビコンの設定は、プロジェクトのメタ情報画面でまとめて管理できます。

コンポーネント化と再利用

繰り返し使うUIパーツはコンポーネント化しておくと効率的です。さらに**バリアント(状態の違いをまとめたもの)変数(文言や画像を差し替えられる機能)**を組み合わせれば、柔軟性を保ちながら再利用できます。

ナビゲーションやカード、CTAボタンのような要素は「セクションをまたいで共通で使う部品」に昇格させておくと、ABテストや多言語対応の際に差し替えが容易になります。

Framerで作るインタラクション

Framerの強みは、動きの設計が“作図”ではなく“挙動”として直感的に扱えることです。視線誘導・情報の分節・コンバージョン導線の明確化に直結します。

リンクとナビゲーションの設定

ページ間リンク、外部リンク、アンカーリンクを整理し、スクロール量に応じたヘッダーの出し入れや、現在地の強調を組み合わせます。パンくずやセクション内ジャンプは、長文LPの離脱点を減らす効果が高い構成です。

アニメーションとトランジション

“Appear(出現)”“Transition(遷移)”“Loop(繰り返し)”などのエフェクトを、セクション単位のScroll Variantsと併用すると、速度感は保ちながらも“必要な所でだけ”印象づけられます。Framerの公式レッスンとアップデート情報が、実装のベストプラクティスを体系化しています。

スクロール・ホバーなどのインタラクション設定

スクロールによる色/サイズ/配置の変化、ホバーによる奥行き表現は、カード密度の高いUIで有効です。FramerのEffectに加え、Reactのアニメーションライブラリ(Framer Motion)のジェスチャAPI(whileHover/whileTap/whileInViewなど)を理解しておくと、コード拡張時の表現幅が大きく広がります。

レスポンシブデザインの設定

レイアウトはスタック/グリッドで“破綻しにくい設計”に、ブレークポイントでは“余白と行長の最適化”に注力します。横幅の広いデバイスではグリッドで情報を面分けし、モバイルでは縦の分節とCTAの再掲で迷いを減らします。

ここまでで“つくる→動かす”の核を押さえました。続く章では、Code Components外部API連携SEO/公開チーム運用へ踏み込み、事業サイトの要件に耐える運用設計を仕上げます。

Framerの高度な活用方法

Framerは「ノーコードで素早く作る → 必要な部分だけコードで拡張する」という考え方で設計されています。この柔軟さが、実際の運用でよく起きる“ボトルネック”を取り除きます。特にSEO対策や公開フロー、チームでの共同作業といった領域で強みを発揮します。難しい実装はほとんどなく、手順と役割分担を整理することが安定運用のポイントです。

Code Componentsの利用

Framerはノーコードでの制作が中心ですが、どうしても独自の機能や特殊な表現が必要になる場面があります。そんなときに活躍するのがCode Components(コードコンポーネント)です。

FramerはReactベースで作られているため、開発者がReactのコンポーネントを追加すれば、デザイン上で配置して使えるようになります。たとえば、外部のチャットツールを埋め込んだり、地図や動画プレイヤーを独自にカスタマイズしたりといった拡張が可能です。

これにより、デザイナーは普段通りFramer上で作業を続けつつ、必要な部分だけ開発者がサポートするという分業がスムーズに行えます。つまり「ノーコードとコードのいいとこ取り」ができるのがFramerの強みです。

外部APIとの連携

Framerは外部のサービスやデータとつなげることもできます。これにより、単なる静的なページではなく、リアルタイムで情報が変わる動的なサイトを作ることが可能になります。

例えば:

  • 在庫や価格を外部APIから取得し、常に最新情報を表示するECサイト

  • 外部ブログサービスやヘッドレスCMSとつないで、記事を自動で反映するメディアサイト

  • 天気やニュースなど、日々変化するデータを呼び出すダッシュボード

データの更新頻度に応じて、「頻繁に変わる情報はAPI連携」「頻度が低い情報はFramer CMSで管理」と使い分けるのが効率的です。

こうしたAPI連携により、Framerは単なるデザインツールにとどまらず、本格的なWebアプリケーションの基盤としても活用できるようになります。

SEO設定と公開

FramerはSEOに必要な設定を標準機能で用意しています。

  • sitemap.xmlrobots.txtを自動生成

  • ページごとのメタタイトルやディスクリプションを入力可能

  • 構造化データ(JSON-LD)の追加もUIから簡単に設定可能

まずは全ページのメタ情報を入力し、検索エンジンに正しく認識される土台を整えます。

公開環境はAWSのCloudFrontやS3を利用しており、グローバルに高速配信が可能です。大規模サイトではGlobal Acceleratorの活用やセキュリティ強化も選べます。さらにGoogleが推奨するCore Web Vitals(LCP≤2.5秒、INP≤200ms、CLS≤0.1)を目安にし、Search Consoleで定期的に確認すると安定したSEO効果が得られます。

sitemapの生成やインデックス連携は自動で行われますが、canonical設定Search Consoleとの連携は手動でチェックする習慣を持つと、検索結果のブレを防げます。

チームでの共同作業

Framerでは、ワークスペースやプロジェクトごとに権限を設定できます。デザイン編集、コンテンツ更新、公開といった作業を役割ごとに分けられるので、責任範囲が明確になります。

また、複数人で同時に編集でき、Version Historyを使えば過去の状態に戻すことも可能です。2025年から追加されたOn-Page Editingを使うと、マーケティングやカスタマーサポートの担当者が公開中のページ上で直接テキストや画像を修正できるようになり、更新スピードが大きく向上しました。

さらに、多言語対応も簡単です。FramerのLocalization機能やWeglotといった外部サービスを使えば、言語ごとに文言や画像を切り替えられるので、翻訳や更新作業も効率的に行えます。

Framer活用事例

Framerは「作る」だけでなく、「検証 → 公開 → 改善」のサイクルを短く回せるのが特徴です。ここでは代表的な3つの使い方を紹介します。

ポートフォリオサイト

テンプレートをベースに、タイポスケールやグリッドを整えたうえで作品カードをバリアント化すると、見栄えと更新性を両立できます。公開後はOn-Page Editingを利用して、自己紹介文や受賞歴をその場で編集可能。Framerの公式ギャラリーには参考になる事例も豊富にあり、デザインのヒントが得られます。

ランディングページ

LPでは「ファーストビュー(折り返し部分)」の印象がCVRを左右します。FramerならヒーローエリアにコピーとCTAを配置し、スクロールや出現アニメーションを軽く加えるだけで、視線誘導が自然に行えます。テンプレートから始めればフォームやFAQも初めから整っているため、文章と証拠(顧客ロゴや実績)に集中できます。

プロトタイプから本番サイトまで

提案用のモックをFramerに移し、スタックやバリアントを駆使して体験を検証。そのままドメイン接続をして本番公開に移行できます。さらにCMSを組み合わせれば、リリースノートやブログも同じ基盤で運用でき、AWSのCDN配信により世界同時反映が可能です。

Framerの実例紹介

ここでは、実際にFramerを使った3つのプロジェクトを例にして紹介します。細かい技術用語はなるべく避け、要望から解決までの流れがわかるようにまとめました。

実例①:採用サイトをリニューアルしたデザイン会社

依頼は「会社の世界観はそのままに、応募までの流れを分かりやすくしたい」というものでした。

背景に使っていた動画は見づらかったため、シンプルな静止画に変更し、ページを下にスクロールすると段階的に情報が現れる仕組みにしました。その結果、最初に表示される部分がすっきりして読みやすくなり、応募までの到達率も上がりました。また、サイトの表示スピードも改善され、ユーザーにとって快適な体験につながりました。

実例②:こまめに改善を重ねるB2Bサービスのランディングページ

このチームは、週ごとにキャッチコピーや説明文を変更して効果を試していました。

Framerを導入したことで、マーケティング担当者が自分たちでページの文章や画像を直接修正できるようになり、ちょっとした改善にすぐ対応できるようになりました。大きなデザイン変更だけをデザイナーが担当する仕組みにしたため、チーム全体の作業効率が大幅に向上しました。さらに、更新履歴を残せるようにしたことで、どの変更が効果的だったか振り返りやすくなりました。

実例③:多言語で展開する製品紹介サイト

ある製品サイトは、日本語だけでなく英語や韓国語でも情報を発信する必要がありました。

Framerの機能を使い、言語ごとに文章や画像を切り替えられるようにしました。頻繁に変わる価格表などは外部のデータベースと連携し、その他の固定的な情報はCMSで管理。これにより「どの言語でも常に最新の情報が見られる」状態を保てました。さらに、検索エンジンにもそれぞれの言語版を正しく認識させることで、海外のユーザーにもきちんと情報が届くようになりました。

Framerを使うときの注意点とコツ

Framerは便利なツールですが、いざ運用を始めると「速度」「対応」「改善の継続」で差が出ます。大きなリニューアルをする前に、まずは小さくても効果のある改善を積み重ねるのが安定した運用につながります。

読み込み速度とパフォーマンスの最適化

Framerには画像を自動で最適化する機能(WebPやAVIFへの変換・サイズ調整)があり、さらに遅延読み込みにも対応しています。

ただし、最初に表示される画面(ファーストビュー)で重たい動画や過度な装飾を使いすぎると表示が遅くなるため注意が必要です。

また、CDNキャッシュを使うと表示速度が安定します。サイトに独自の要件がある場合は、リバースプロキシを利用してヘッダーやキャッシュの仕組みを調整することも可能です。

表示速度の改善効果を測定するには、Googleが推奨するCore Web Vitals(LCP/INP/CLS)を指標にしましょう。数値が「良好」とされる水準を満たすかを継続的に確認することが大切です。

ブラウザ対応の確認

Framerは基本的に主要ブラウザ(Chrome、Safari、Firefox、Edge)に対応しています。ただし、CSSの一部機能や動画の再生などではブラウザごとに挙動が異なることがあります。

そのため、新しい機能を使う際には「Can I use」といった対応状況を確認できるサイトや、Framerのサポート情報を参照し、必要に応じて代替表現(フォールバック)や演出の簡略化を検討すると安心です。

継続的な更新と改善

FramerのOn-Page Editingを使えば、小さな修正ならその場で反映できます。さらにVersion Historyを利用すると、更新履歴を管理でき、誤った変更があってもすぐに戻せます。

公開後は、Google Search Consoleを使ってインデックス状況や構造化データ、Core Web Vitalsを定期的にチェックしましょう。**「編集 → 測定 → 学習」**というサイクルを止めないことが、長期的に成果を出すための鍵です。

まとめ

Framerは、設計 → 体験設計 → 公開を最短ルートでつなげるユニークなプラットフォームです。ノーコードで動くサイトをすぐに作り、必要に応じてコードで拡張。SEOや配信、権限管理、多言語対応まで一貫して扱えます。

運用では、速度改善・ブラウザ確認・継続改善の3つを意識することが重要です。特にCore Web Vitalsの指標を基準にし、On-Page Editingと履歴管理を活用すれば、改善を止めずに回し続けられます。これこそが「Framerの使い方」を成功に導くポイントです。

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Framerは、こうしたニーズに応える「オールインワン型Web制作ツール」です。ノーコードで体験を形にでき、しかもそのまま本番公開まで持っていける。つまり「作る→試す→改善する」を短いサイクルで回すことが可能になります。本記事では、Framerの基本操作から実務で効く応用まで、読みながら理解できる流れで解説していきます。ぜひ最後まで読んでください。

Framerとは?

Framerは、単なるデザインツールではなく「公開まで含めた制作基盤」です。特に以下の点で注目されています。

  • ノーコード中心:デザイナーやマーケターでも扱える

  • コード拡張可能:必要に応じてReactで高度な機能を追加

  • 一貫した運用:公開・ホスティング・SEO管理までUIで完結

Framerの概要と特徴

FramerはFigmaに近い直感的な操作感を持ちつつ、完成品がそのまま動くというのが最大の特徴です。例えば、ECサイトのキャンペーンページを半日で公開できるケースもあります。これまでのように「エンジニアに依頼して実装を待つ」必要がないため、プロジェクトのスピードが劇的に上がります。

他のデザインツールとの違い

FigmaやAdobe XDはあくまで「デザインデータの制作・共有」が中心です。Framerはその一歩先に進み、「実際に動く体験を作り、そのまま本番公開できる」ことが最大の違いです。

Figmaプラグインでデザインを取り込めるため移行はスムーズですが、Figmaの複雑なコンポーネントはFramerで再構成する必要が出てきます。その分、公開後の運用を想定した構造設計ができるため、実務ではむしろ効率的です。

利用できるプランと料金体系

Framerは複数の料金プランを提供しています。

特筆すべきは無料プランでも本番公開が可能な点です。まずは個人利用で試し、成果が出てきたら中位プランに移行するのが一般的です。上位プランではチーム権限や多言語サポートもあり、企業サイトやグローバル展開にも対応可能です。

  • 無料プラン:個人利用や検証、ポートフォリオに最適

  • 中位プラン:独自ドメインやSEO、フォーム機能が必要な成長中のサービスに適合

  • 上位プラン:多言語や高トラフィック対応、組織での本格運用向け

Framerの特徴とメリット

Framerを導入するメリットは「効率」と「表現力」の両方を高められることにあります。

ノーコードで本格的なWeb制作が可能

特にスタートアップでは、開発者リソースが不足する場面が頻発します。Framerを使えば、デザイナーが直接公開まで進められるため、エンジニアはコア機能開発に集中可能になります。

豊富なアニメーション・インタラクション機能

例えば採用ページで「応募フォーム直前に強調アニメーションを差し込む」と、応募完了率が上がることがあります。Framerではこれをノーコードで設定できるため、A/Bテストも容易です。

Figmaとの高い互換性

大規模案件では「Figmaでレビュー→Framerで実装」が自然な流れです。クライアントレビューをFigmaで行い、承認後にFramerで動きをつけて公開。レビューと公開が分断されないのが利点です。

公開・ホスティングまでワンストップ

クラウド配信のため、サーバー保守やセキュリティ管理に時間を取られることがありません。SSLやCDNが標準搭載され、安心して運用できます。

Framerの基本操作

Framerを効果的に使い始めるために、まずは「触って慣れる → 動きをつける → 公開まで進める」という流れを押さえるとスムーズです。最初の30分でキャンバスの基本操作に慣れ、次の30分でコンポーネント化まで到達できるのが理想的なペースです。

アカウント作成とワークスペースの設定

Framerにサインアップしたら、まずはワークスペースを作成し、新しいサイト(Site)を立ち上げます。テンプレートから始めても問題ありませんが、最初にヘッダーやヒーローエリアの構造を観察し、**Stacks(縦横の並びを自動調整する機能)やGrids(列ごとに配置を整える機能)**の使い方を理解しておくと後の作業が速くなります。

チームで作業する場合は、ページやCMS単位で編集権限を整理しておくとトラブル防止になります。さらに「On-Page Editing」を使えば、マーケティングやカスタマーサポートのメンバーが公開中のページを直接編集できるため、運用のスピードが上がります。

キャンバスとレイヤーの操作方法

Framerのキャンバスは階層構造になっており、フレーム(大枠のセクション) → スタック/グリッド → 要素という順で理解すると分かりやすいです。

  • スタックは要素を等間隔に配置したり、幅に応じて自動的に伸縮させるのが得意

  • グリッドは列ベースで整然と並べたいときに便利

迷ったときはまずスタックを使い、どうしても必要な部分だけグリッドを適用すると、破綻の少ない設計ができます。

テキスト・画像・シェイプの追加

テキストを配置する際は、最初に見出しと本文のサイズ(タイポスケール)を決め、最大幅を設定して行の長さを整えると読みやすくなります。画像はアップロード時に自動で軽量化されますが、**代替テキスト(alt属性)遅延読み込み(Lazy Load)**を設定すると、SEOやCore Web Vitals(Googleの表示速度指標)への対策にもつながります。

OG画像やファビコンの設定は、プロジェクトのメタ情報画面でまとめて管理できます。

コンポーネント化と再利用

繰り返し使うUIパーツはコンポーネント化しておくと効率的です。さらに**バリアント(状態の違いをまとめたもの)変数(文言や画像を差し替えられる機能)**を組み合わせれば、柔軟性を保ちながら再利用できます。

ナビゲーションやカード、CTAボタンのような要素は「セクションをまたいで共通で使う部品」に昇格させておくと、ABテストや多言語対応の際に差し替えが容易になります。

Framerで作るインタラクション

Framerの強みは、動きの設計が“作図”ではなく“挙動”として直感的に扱えることです。視線誘導・情報の分節・コンバージョン導線の明確化に直結します。

リンクとナビゲーションの設定

ページ間リンク、外部リンク、アンカーリンクを整理し、スクロール量に応じたヘッダーの出し入れや、現在地の強調を組み合わせます。パンくずやセクション内ジャンプは、長文LPの離脱点を減らす効果が高い構成です。

アニメーションとトランジション

“Appear(出現)”“Transition(遷移)”“Loop(繰り返し)”などのエフェクトを、セクション単位のScroll Variantsと併用すると、速度感は保ちながらも“必要な所でだけ”印象づけられます。Framerの公式レッスンとアップデート情報が、実装のベストプラクティスを体系化しています。

スクロール・ホバーなどのインタラクション設定

スクロールによる色/サイズ/配置の変化、ホバーによる奥行き表現は、カード密度の高いUIで有効です。FramerのEffectに加え、Reactのアニメーションライブラリ(Framer Motion)のジェスチャAPI(whileHover/whileTap/whileInViewなど)を理解しておくと、コード拡張時の表現幅が大きく広がります。

レスポンシブデザインの設定

レイアウトはスタック/グリッドで“破綻しにくい設計”に、ブレークポイントでは“余白と行長の最適化”に注力します。横幅の広いデバイスではグリッドで情報を面分けし、モバイルでは縦の分節とCTAの再掲で迷いを減らします。

ここまでで“つくる→動かす”の核を押さえました。続く章では、Code Components外部API連携SEO/公開チーム運用へ踏み込み、事業サイトの要件に耐える運用設計を仕上げます。

Framerの高度な活用方法

Framerは「ノーコードで素早く作る → 必要な部分だけコードで拡張する」という考え方で設計されています。この柔軟さが、実際の運用でよく起きる“ボトルネック”を取り除きます。特にSEO対策や公開フロー、チームでの共同作業といった領域で強みを発揮します。難しい実装はほとんどなく、手順と役割分担を整理することが安定運用のポイントです。

Code Componentsの利用

Framerはノーコードでの制作が中心ですが、どうしても独自の機能や特殊な表現が必要になる場面があります。そんなときに活躍するのがCode Components(コードコンポーネント)です。

FramerはReactベースで作られているため、開発者がReactのコンポーネントを追加すれば、デザイン上で配置して使えるようになります。たとえば、外部のチャットツールを埋め込んだり、地図や動画プレイヤーを独自にカスタマイズしたりといった拡張が可能です。

これにより、デザイナーは普段通りFramer上で作業を続けつつ、必要な部分だけ開発者がサポートするという分業がスムーズに行えます。つまり「ノーコードとコードのいいとこ取り」ができるのがFramerの強みです。

外部APIとの連携

Framerは外部のサービスやデータとつなげることもできます。これにより、単なる静的なページではなく、リアルタイムで情報が変わる動的なサイトを作ることが可能になります。

例えば:

  • 在庫や価格を外部APIから取得し、常に最新情報を表示するECサイト

  • 外部ブログサービスやヘッドレスCMSとつないで、記事を自動で反映するメディアサイト

  • 天気やニュースなど、日々変化するデータを呼び出すダッシュボード

データの更新頻度に応じて、「頻繁に変わる情報はAPI連携」「頻度が低い情報はFramer CMSで管理」と使い分けるのが効率的です。

こうしたAPI連携により、Framerは単なるデザインツールにとどまらず、本格的なWebアプリケーションの基盤としても活用できるようになります。

SEO設定と公開

FramerはSEOに必要な設定を標準機能で用意しています。

  • sitemap.xmlrobots.txtを自動生成

  • ページごとのメタタイトルやディスクリプションを入力可能

  • 構造化データ(JSON-LD)の追加もUIから簡単に設定可能

まずは全ページのメタ情報を入力し、検索エンジンに正しく認識される土台を整えます。

公開環境はAWSのCloudFrontやS3を利用しており、グローバルに高速配信が可能です。大規模サイトではGlobal Acceleratorの活用やセキュリティ強化も選べます。さらにGoogleが推奨するCore Web Vitals(LCP≤2.5秒、INP≤200ms、CLS≤0.1)を目安にし、Search Consoleで定期的に確認すると安定したSEO効果が得られます。

sitemapの生成やインデックス連携は自動で行われますが、canonical設定Search Consoleとの連携は手動でチェックする習慣を持つと、検索結果のブレを防げます。

チームでの共同作業

Framerでは、ワークスペースやプロジェクトごとに権限を設定できます。デザイン編集、コンテンツ更新、公開といった作業を役割ごとに分けられるので、責任範囲が明確になります。

また、複数人で同時に編集でき、Version Historyを使えば過去の状態に戻すことも可能です。2025年から追加されたOn-Page Editingを使うと、マーケティングやカスタマーサポートの担当者が公開中のページ上で直接テキストや画像を修正できるようになり、更新スピードが大きく向上しました。

さらに、多言語対応も簡単です。FramerのLocalization機能やWeglotといった外部サービスを使えば、言語ごとに文言や画像を切り替えられるので、翻訳や更新作業も効率的に行えます。

Framer活用事例

Framerは「作る」だけでなく、「検証 → 公開 → 改善」のサイクルを短く回せるのが特徴です。ここでは代表的な3つの使い方を紹介します。

ポートフォリオサイト

テンプレートをベースに、タイポスケールやグリッドを整えたうえで作品カードをバリアント化すると、見栄えと更新性を両立できます。公開後はOn-Page Editingを利用して、自己紹介文や受賞歴をその場で編集可能。Framerの公式ギャラリーには参考になる事例も豊富にあり、デザインのヒントが得られます。

ランディングページ

LPでは「ファーストビュー(折り返し部分)」の印象がCVRを左右します。FramerならヒーローエリアにコピーとCTAを配置し、スクロールや出現アニメーションを軽く加えるだけで、視線誘導が自然に行えます。テンプレートから始めればフォームやFAQも初めから整っているため、文章と証拠(顧客ロゴや実績)に集中できます。

プロトタイプから本番サイトまで

提案用のモックをFramerに移し、スタックやバリアントを駆使して体験を検証。そのままドメイン接続をして本番公開に移行できます。さらにCMSを組み合わせれば、リリースノートやブログも同じ基盤で運用でき、AWSのCDN配信により世界同時反映が可能です。

Framerの実例紹介

ここでは、実際にFramerを使った3つのプロジェクトを例にして紹介します。細かい技術用語はなるべく避け、要望から解決までの流れがわかるようにまとめました。

実例①:採用サイトをリニューアルしたデザイン会社

依頼は「会社の世界観はそのままに、応募までの流れを分かりやすくしたい」というものでした。

背景に使っていた動画は見づらかったため、シンプルな静止画に変更し、ページを下にスクロールすると段階的に情報が現れる仕組みにしました。その結果、最初に表示される部分がすっきりして読みやすくなり、応募までの到達率も上がりました。また、サイトの表示スピードも改善され、ユーザーにとって快適な体験につながりました。

実例②:こまめに改善を重ねるB2Bサービスのランディングページ

このチームは、週ごとにキャッチコピーや説明文を変更して効果を試していました。

Framerを導入したことで、マーケティング担当者が自分たちでページの文章や画像を直接修正できるようになり、ちょっとした改善にすぐ対応できるようになりました。大きなデザイン変更だけをデザイナーが担当する仕組みにしたため、チーム全体の作業効率が大幅に向上しました。さらに、更新履歴を残せるようにしたことで、どの変更が効果的だったか振り返りやすくなりました。

実例③:多言語で展開する製品紹介サイト

ある製品サイトは、日本語だけでなく英語や韓国語でも情報を発信する必要がありました。

Framerの機能を使い、言語ごとに文章や画像を切り替えられるようにしました。頻繁に変わる価格表などは外部のデータベースと連携し、その他の固定的な情報はCMSで管理。これにより「どの言語でも常に最新の情報が見られる」状態を保てました。さらに、検索エンジンにもそれぞれの言語版を正しく認識させることで、海外のユーザーにもきちんと情報が届くようになりました。

Framerを使うときの注意点とコツ

Framerは便利なツールですが、いざ運用を始めると「速度」「対応」「改善の継続」で差が出ます。大きなリニューアルをする前に、まずは小さくても効果のある改善を積み重ねるのが安定した運用につながります。

読み込み速度とパフォーマンスの最適化

Framerには画像を自動で最適化する機能(WebPやAVIFへの変換・サイズ調整)があり、さらに遅延読み込みにも対応しています。

ただし、最初に表示される画面(ファーストビュー)で重たい動画や過度な装飾を使いすぎると表示が遅くなるため注意が必要です。

また、CDNキャッシュを使うと表示速度が安定します。サイトに独自の要件がある場合は、リバースプロキシを利用してヘッダーやキャッシュの仕組みを調整することも可能です。

表示速度の改善効果を測定するには、Googleが推奨するCore Web Vitals(LCP/INP/CLS)を指標にしましょう。数値が「良好」とされる水準を満たすかを継続的に確認することが大切です。

ブラウザ対応の確認

Framerは基本的に主要ブラウザ(Chrome、Safari、Firefox、Edge)に対応しています。ただし、CSSの一部機能や動画の再生などではブラウザごとに挙動が異なることがあります。

そのため、新しい機能を使う際には「Can I use」といった対応状況を確認できるサイトや、Framerのサポート情報を参照し、必要に応じて代替表現(フォールバック)や演出の簡略化を検討すると安心です。

継続的な更新と改善

FramerのOn-Page Editingを使えば、小さな修正ならその場で反映できます。さらにVersion Historyを利用すると、更新履歴を管理でき、誤った変更があってもすぐに戻せます。

公開後は、Google Search Consoleを使ってインデックス状況や構造化データ、Core Web Vitalsを定期的にチェックしましょう。**「編集 → 測定 → 学習」**というサイクルを止めないことが、長期的に成果を出すための鍵です。

まとめ

Framerは、設計 → 体験設計 → 公開を最短ルートでつなげるユニークなプラットフォームです。ノーコードで動くサイトをすぐに作り、必要に応じてコードで拡張。SEOや配信、権限管理、多言語対応まで一貫して扱えます。

運用では、速度改善・ブラウザ確認・継続改善の3つを意識することが重要です。特にCore Web Vitalsの指標を基準にし、On-Page Editingと履歴管理を活用すれば、改善を止めずに回し続けられます。これこそが「Framerの使い方」を成功に導くポイントです。

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