
クリエイティブディレクター
京都発クリエイティブエージェンシーearthcampas×JOOiが見据える 真のデザイン経営とは?
投稿日:
2026/01/22
デザイナーマッチングプラットフォームのJOOiとクリエティブエージェンシーearthcampus株式会社が協業を進めていくにあたって、「自分たちはそもそもデザイン経営とは何か、そしてそれをどう捉えているのか」を改めて定義するため、earthcampus株式会社CEO佐藤 涼介とJOOi事業責任者 脇谷光多の対談を行いました。
地方の中小企業や技術系企業の支援を通じて見えてきた「中身は良いのに発信や体験設計で機会を逃している」状況や、未顧客の静かな離脱、感性とデータ、そしてAIの扱い方。
そうしたテーマを軸に、現場での具体的なエピソードも交えながらデザイン経営のリアルを掘り下げています。
この記事では、その対談の内容を、実際の会話の流れに沿ってまとめていきます。
ぜひ最後までご覧ください。
対談者紹介
佐藤 涼介

大学卒業後にビジネスコンサルティング会社を設立し、中小企業の経営・金融戦略・会計を支援。その後、クライアントに最適なクリエイティブを提供するearthcampus株式会社を設立。UXデザインを基盤にエンドユーザーの体験と「愛の循環」を重視したクリエイティブを手がけ、2022年からはJリーグクラブ「愛媛FC」のクリエイティブディレクターも務めている。
脇谷 光多

2019年にユナイテッド株式会社へ新卒入社。グループ各社が保有する複数プロダクトの新規営業を経験したのち、DXコンサルティング部門にてインサイドセールスチームの立ち上げに従事。 現在は株式会社リベイスにて、高い審査基準を設けたデザイナーマッチングサービス「JOOi」の事業統括を行う。
デザイン経営をどう捉えているか
「全ての経営者がデザイン投資すべき」とは思っていない
脇谷:本日は「真のデザイン経営とは?」というテーマでお話できればと思っています。最近、「デザイン経営」という言葉だけが一人歩きしている感じもあるので、改めてちゃんと定義してから議論を進めていきたいと思います。
佐藤:そうですね。まず僕は、「全ての経営者がデザインに投資すべきだ」とまでは思っていないんです。
ただ一方で、「デザインがちゃんと入るだけで、事業がぐっと良くなる」みたいな余白を持っている会社って、確実に存在していると思っています。
その余白があるのに、デザインの投資が届いていない企業がすごく多い。そこにずっとモヤモヤしている感覚があります。
「余白」の大きい企業にこそ届いてほしい
佐藤:特に地方の中小企業や技術系の会社は、プロダクトや技術は素晴らしいのに、発信とか体験設計の部分が追いついていないことが多いんですよね。
僕が「余白がある」と言っているのは、そのギャップのことなんです。 中身のクオリティと、外から見たときの伝わり方にズレがあって、本当はもっと評価されていいのに、手前のデザインや体験の設計が整っていないせいで取りこぼしている状態。
たとえば、直帰率が高いサイトなのに、指名検索で人はちゃんと来ているとか。 口コミで「商品はいい」と言われているのに、Webやパンフレットだけ見ると魅力が伝わってこないとか。
そういう「もったいない差分」が大きい会社ほど、デザインが入ったときの伸びしろも大きい。
だからこそ、そういうところに「デザイン経営」という考え方をきちんと持ち込む意味があるんじゃないかと感じています。
中身は良いのに伝わらない現場と未顧客の違和感
指名検索はあるのに直帰率80〜90%の現実
脇谷:これまでいろんな企業を伴走されてきたと思うんですが、どういう会社が多いですか?
佐藤:ざっくり言うと、老舗企業とか、地方の中小企業とか、技術系のメーカーさんが多いですね。
これまで伴走させてもらったのは、だいたい6社くらいですけど、業種はバラバラです。
ただ共通しているのは、**「中身はめちゃくちゃ良いのに、発信と体験設計が追いついていない」**ということなんです。
例えば地元ではすごく有名な企業さんだと、指名検索でサイトにはちゃんと人が来ているんですよ。
でも蓋を開けてみると、直帰率が80〜90%だったりする。
つまり、会社名で調べてくれるくらいには興味を持ってくれている人が、ページを開いて数秒で「なんだこれ」と思って帰ってしまっている状態なんですよね。
数字には現れにくい「静かな離脱」

脇谷:その状態って、数字としては「PVはある」けど、「静かに離脱されている」みたいな状況ですよね。
佐藤:そうなんです。しかも、その人たちはクレームも書かないし、問い合わせもしてこない。
「なんか違うな」と思って、そっとタブを閉じるだけなんですよね。
アンケートにも出てこないし、口コミにも書かれない。
でも、実はその静かな違和感を持っている未顧客が、一番多かったりする。
デザイン経営の一歩目は「何も言わない人」を想像すること
佐藤:デザイン経営の一歩目って、ここにどれだけ想像力を伸ばせるかだと思っていて。
声を上げてくれた人だけを見るんじゃなくて、何も言わずに離脱した人たちをちゃんとイメージできるかどうか、ですね。
マイナスを削るデザインと感性・データ・AIの関係
某有名テーマパークに見る「古びない体験」のつくり方
脇谷:その話を聞いていると、以前おっしゃっていた某有名テーマパークの例を思い出します。あの話、すごく印象的だったので、改めて聞いてもいいですか?
佐藤:そのテーマパークって、建物自体は結構古いんですよね。
僕が子どもの頃からあるアトラクションも、普通に現役で動いています。でも今の小学生も中学生も、違和感なく「行きたい場所」として選んでいる。
じゃあ、なぜ「古びた遊園地」に見えないのかって考えたときに、いろいろ見ていくと**「マイナスを徹底的に削っているからだな」**と思ったんです。
園内には清掃スタッフがものすごい人数いて、常に掃除している。
スペースマウンテンの待ち列の手すりとかにも、ほこりが全然溜まっていない。普通の遊園地だったら絶対ほこりだらけになっている場所まで、ちゃんと手が入っている。
僕の中では、それって鍋のアクをずっと取り続けている感じです。
プラスの演出をどんどん足している、というよりは、体験を冷やすマイナスの要素を徹底的に取り除き続けている。
これは、どの会社でもスケールは違えど、真似できる考え方なんじゃないかなと思っています。
Webでも店舗でも「マイナス」から見る
脇谷:企業の現場でいうと、どういうところからマイナスを見ていくんですか?
佐藤:Webであれば、わかりやすいのは重さとか読みにくさですね。
ページが開くまでに時間がかかる、フォントサイズが小さすぎて読みづらい、欲しい情報にたどり着くまでに何回もクリックしないといけない、みたいな。
リアルな店舗であれば、さっきのトイレの話が典型ですけど、
トイレが汚い、狭い、落ち着かない
席の間隔が狭すぎてくつろげない
行列の待ち時間がストレスになる
みたいなところですね。
こういうのって、ユーザーはわざわざ「ここが嫌でした」とは言わないんですけど、心のなかでは確実にマイナス評価になっているポイントなんですよね。
だから、真のデザイン経営の一歩目は、何か新しいものを足すことじゃなくて、マイナスをゼロに近づけていくことだと思っています。
「感性が先、データが後」という順番
脇谷:今のお話って、すごく感性の話だと思うんですけど、一方でデータも見ていらっしゃるじゃないですか。感覚とデータって、どういうバランスで扱っているんですか?
佐藤:僕の場合は、順番として「感性が先、データが後」です。
まずは自分の中のファーストインプレッションを大事にしていて、「なんか重いな」「読みづらいな」「この写真、ユーザーの目線とずれているな」みたいな違和感を、一旦そのまま素直に持っておくんです。
そのうえで、「本当にそうなのか?」を確かめに、データを見に行くイメージですね。
Google Analyticsやサーチコンソールで直帰率や離脱率を見たり、口コミやGoogleレビューで、ユーザーが何を評価していて、何に不満を感じているのかを確認したり。
そうやって、自分の感覚とユーザーの実際の反応をすり合わせていく。
そのため最終的な判断も僕が好きか嫌いかではなく、ユーザー体験としてどうかを基準に決めている感覚です。
AIは「可視化と提示」を早くする道具
脇谷:AIツールについては、どういう風に捉えていますか?
佐藤:AIは、データの整理とか可視化、あとは提示の部分で、すごく相性がいいなと思っています。
顧客の動きとか、どこで離脱しているかって、昔だったら人がひたすらスプレッドシートをいじって分析していたと思うんですけど、
今はある程度の情報をAIに投げて、「こういう切り口で整理して」と指示すれば、経営者にも見せやすい形で返してくれたりする。
経営層に「今こういうことが起きています」と事実ベースで提示するための加速装置として、AIはすごく使いやすいですね。
とはいえ、「じゃあそのうえで、何を変えるのか」「どこから手をつけるのか」という意思決定の部分は、人間がやるべきところだと思っています。
AI時代でも変わらない「ブランドの土台」
脇谷:AIとか内製化が進んでいく中で、「デザインの仕事ってどうなっていくんだろう」という話も出てきますよね。
佐藤:作り方とか体制は、これからもどんどん変わっていくと思います。
バナーとかLPのたたき台をAIで作って、最終調整だけ人がやる、みたいなフローも増えていくでしょうし。
でも、何を良い体験とするのかとか、どこからが「イケてない」と感じるのかといった判断基準は、人からしか生まれないと思っていて。
その判断基準って、企業のミッションやビジョンとか、カルチャーとか、ビジュアルアイデンティティみたいな「ブランドの土台」と直結しているんですよね。
ここが曖昧なままAIに「〇〇と△△の間みたいなロゴを作って」と指示しても、
それっぽいけど芯のないアウトプットが量産されるだけになってしまう。
なので、AIがどれだけ進化しても、「ブランドの土台」を一緒につくっていく仕事は、引き続き人間がやっていく必要があると感じています。
ユーザーの代表として地方企業と向き合う
経営者の満足ではなく、ユーザーと社会への意義を優先する
脇谷:お話を聞いていると、クライアントとの向き合い方も特徴的だなと感じます。経営者の意見とユーザーの視点って、どうバランスを取っているんですか?
佐藤:もちろん、経営者の想いや美意識はすごく尊重します。
ただ、その人が喜ぶものだけを作ることをゴールには置いていないんです。
一番大事にしているのは、その企業のサービスを受けるユーザーや、そこから生まれる社会的な意義に対して、ちゃんと応えられているかどうか。
だから、トイレの汚さとか、店内の狭さとか、Webの導線のわかりづらさとか、
社内の人はあまり触れたがらないけど、ユーザーは確実に感じているポイントについても、あえてはっきりと言うようにしています。
日常の消費行動から感性をチューニングする
脇谷:その「ユーザーの代表」でいるために、日頃から意識していることってありますか?
佐藤:すごくシンプルなんですけど、自分の日常の消費行動をちゃんと観察するようにしています。
どんな店だと気持ちよくお金を払えるのか
どんな体験のときに「なんか嫌だな」と感じるのか
その感覚って、自分だけなのか、多くの人も同じように感じそうなのか
こういうことを、なるべくスルーしないようにするんです。
それをチームのメンバーとかクライアントと話してみて、「あ、みんなもそう感じてるんだな」とか、「これは自分が気にしすぎなだけかもな」とか、少しずつ感覚をチューニングしていく。
そうやって、自分の感性と市場の感覚があまりズレすぎないようにしておく。
これは、デザイン経営をやるうえでは、意外と大事なトレーニングだと思っています。
地方・技術系企業へのフォーカス
脇谷:以前から地方や技術系の企業を支援されていますが、そこにフォーカスしている理由も改めて聞いてみたいです。
佐藤:地方に行くと、「世界に一台しかない機械を作っています」とか、「大手の美容ブランドに納品しています」とか、本当にすごい技術やプロダクトを持っている会社がたくさんあるんです。
でも、代理店を挟んでいるので、エンドユーザーから見ると「その会社の名前は一切出てこない」みたいなケースがすごく多い。
サービスや技術に問題があるわけじゃなくて、「自分たちの価値を自分たちの名前で発信する機能」が欠けている状態なんですよね。
そこに、デザイン経営の視点を持ち込むことで、ちゃんと価値を取り戻せる余地がある。
だからこそ、地方や中小・技術系の企業にフォーカスしたいという気持ちがあります。
earthcampus×JOOiで目指す「伴走型のデザイン経営」

脇谷:そういった企業に対して、今回の協業を通じてどう関わっていくのか佐藤さんはイメージを持っていますか?
佐藤:僕らだけだと、どうしてもリソースに限界があります。
なので、デザイン経営のハブとしてearthcampusが入りつつ、必要に応じてチームを組んでいくようなかたちをイメージしています。
データとユーザーの声を集めて整理する役割
体験のマイナスを見つけて設計し直す役割
ビジュアルやコピーとして実装していく役割
こういったものを、小さなチームで回していくイメージですね。
大きなプロジェクトだけではなく、地方や中小の企業にも届くサイズ感で、「伴走型のデザイン経営」を一緒につくっていけたらと思っています。
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投稿日:
2026/01/22
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地方の中小企業や技術系企業の支援を通じて見えてきた「中身は良いのに発信や体験設計で機会を逃している」状況や、未顧客の静かな離脱、感性とデータ、そしてAIの扱い方。
そうしたテーマを軸に、現場での具体的なエピソードも交えながらデザイン経営のリアルを掘り下げています。
この記事では、その対談の内容を、実際の会話の流れに沿ってまとめていきます。
ぜひ最後までご覧ください。
対談者紹介
佐藤 涼介

大学卒業後にビジネスコンサルティング会社を設立し、中小企業の経営・金融戦略・会計を支援。その後、クライアントに最適なクリエイティブを提供するearthcampus株式会社を設立。UXデザインを基盤にエンドユーザーの体験と「愛の循環」を重視したクリエイティブを手がけ、2022年からはJリーグクラブ「愛媛FC」のクリエイティブディレクターも務めている。
脇谷 光多

2019年にユナイテッド株式会社へ新卒入社。グループ各社が保有する複数プロダクトの新規営業を経験したのち、DXコンサルティング部門にてインサイドセールスチームの立ち上げに従事。 現在は株式会社リベイスにて、高い審査基準を設けたデザイナーマッチングサービス「JOOi」の事業統括を行う。
デザイン経営をどう捉えているか
「全ての経営者がデザイン投資すべき」とは思っていない
脇谷:本日は「真のデザイン経営とは?」というテーマでお話できればと思っています。最近、「デザイン経営」という言葉だけが一人歩きしている感じもあるので、改めてちゃんと定義してから議論を進めていきたいと思います。
佐藤:そうですね。まず僕は、「全ての経営者がデザインに投資すべきだ」とまでは思っていないんです。
ただ一方で、「デザインがちゃんと入るだけで、事業がぐっと良くなる」みたいな余白を持っている会社って、確実に存在していると思っています。
その余白があるのに、デザインの投資が届いていない企業がすごく多い。そこにずっとモヤモヤしている感覚があります。
「余白」の大きい企業にこそ届いてほしい
佐藤:特に地方の中小企業や技術系の会社は、プロダクトや技術は素晴らしいのに、発信とか体験設計の部分が追いついていないことが多いんですよね。
僕が「余白がある」と言っているのは、そのギャップのことなんです。 中身のクオリティと、外から見たときの伝わり方にズレがあって、本当はもっと評価されていいのに、手前のデザインや体験の設計が整っていないせいで取りこぼしている状態。
たとえば、直帰率が高いサイトなのに、指名検索で人はちゃんと来ているとか。 口コミで「商品はいい」と言われているのに、Webやパンフレットだけ見ると魅力が伝わってこないとか。
そういう「もったいない差分」が大きい会社ほど、デザインが入ったときの伸びしろも大きい。
だからこそ、そういうところに「デザイン経営」という考え方をきちんと持ち込む意味があるんじゃないかと感じています。
中身は良いのに伝わらない現場と未顧客の違和感
指名検索はあるのに直帰率80〜90%の現実
脇谷:これまでいろんな企業を伴走されてきたと思うんですが、どういう会社が多いですか?
佐藤:ざっくり言うと、老舗企業とか、地方の中小企業とか、技術系のメーカーさんが多いですね。
これまで伴走させてもらったのは、だいたい6社くらいですけど、業種はバラバラです。
ただ共通しているのは、**「中身はめちゃくちゃ良いのに、発信と体験設計が追いついていない」**ということなんです。
例えば地元ではすごく有名な企業さんだと、指名検索でサイトにはちゃんと人が来ているんですよ。
でも蓋を開けてみると、直帰率が80〜90%だったりする。
つまり、会社名で調べてくれるくらいには興味を持ってくれている人が、ページを開いて数秒で「なんだこれ」と思って帰ってしまっている状態なんですよね。
数字には現れにくい「静かな離脱」

脇谷:その状態って、数字としては「PVはある」けど、「静かに離脱されている」みたいな状況ですよね。
佐藤:そうなんです。しかも、その人たちはクレームも書かないし、問い合わせもしてこない。
「なんか違うな」と思って、そっとタブを閉じるだけなんですよね。
アンケートにも出てこないし、口コミにも書かれない。
でも、実はその静かな違和感を持っている未顧客が、一番多かったりする。
デザイン経営の一歩目は「何も言わない人」を想像すること
佐藤:デザイン経営の一歩目って、ここにどれだけ想像力を伸ばせるかだと思っていて。
声を上げてくれた人だけを見るんじゃなくて、何も言わずに離脱した人たちをちゃんとイメージできるかどうか、ですね。
マイナスを削るデザインと感性・データ・AIの関係
某有名テーマパークに見る「古びない体験」のつくり方
脇谷:その話を聞いていると、以前おっしゃっていた某有名テーマパークの例を思い出します。あの話、すごく印象的だったので、改めて聞いてもいいですか?
佐藤:そのテーマパークって、建物自体は結構古いんですよね。
僕が子どもの頃からあるアトラクションも、普通に現役で動いています。でも今の小学生も中学生も、違和感なく「行きたい場所」として選んでいる。
じゃあ、なぜ「古びた遊園地」に見えないのかって考えたときに、いろいろ見ていくと**「マイナスを徹底的に削っているからだな」**と思ったんです。
園内には清掃スタッフがものすごい人数いて、常に掃除している。
スペースマウンテンの待ち列の手すりとかにも、ほこりが全然溜まっていない。普通の遊園地だったら絶対ほこりだらけになっている場所まで、ちゃんと手が入っている。
僕の中では、それって鍋のアクをずっと取り続けている感じです。
プラスの演出をどんどん足している、というよりは、体験を冷やすマイナスの要素を徹底的に取り除き続けている。
これは、どの会社でもスケールは違えど、真似できる考え方なんじゃないかなと思っています。
Webでも店舗でも「マイナス」から見る
脇谷:企業の現場でいうと、どういうところからマイナスを見ていくんですか?
佐藤:Webであれば、わかりやすいのは重さとか読みにくさですね。
ページが開くまでに時間がかかる、フォントサイズが小さすぎて読みづらい、欲しい情報にたどり着くまでに何回もクリックしないといけない、みたいな。
リアルな店舗であれば、さっきのトイレの話が典型ですけど、
トイレが汚い、狭い、落ち着かない
席の間隔が狭すぎてくつろげない
行列の待ち時間がストレスになる
みたいなところですね。
こういうのって、ユーザーはわざわざ「ここが嫌でした」とは言わないんですけど、心のなかでは確実にマイナス評価になっているポイントなんですよね。
だから、真のデザイン経営の一歩目は、何か新しいものを足すことじゃなくて、マイナスをゼロに近づけていくことだと思っています。
「感性が先、データが後」という順番
脇谷:今のお話って、すごく感性の話だと思うんですけど、一方でデータも見ていらっしゃるじゃないですか。感覚とデータって、どういうバランスで扱っているんですか?
佐藤:僕の場合は、順番として「感性が先、データが後」です。
まずは自分の中のファーストインプレッションを大事にしていて、「なんか重いな」「読みづらいな」「この写真、ユーザーの目線とずれているな」みたいな違和感を、一旦そのまま素直に持っておくんです。
そのうえで、「本当にそうなのか?」を確かめに、データを見に行くイメージですね。
Google Analyticsやサーチコンソールで直帰率や離脱率を見たり、口コミやGoogleレビューで、ユーザーが何を評価していて、何に不満を感じているのかを確認したり。
そうやって、自分の感覚とユーザーの実際の反応をすり合わせていく。
そのため最終的な判断も僕が好きか嫌いかではなく、ユーザー体験としてどうかを基準に決めている感覚です。
AIは「可視化と提示」を早くする道具
脇谷:AIツールについては、どういう風に捉えていますか?
佐藤:AIは、データの整理とか可視化、あとは提示の部分で、すごく相性がいいなと思っています。
顧客の動きとか、どこで離脱しているかって、昔だったら人がひたすらスプレッドシートをいじって分析していたと思うんですけど、
今はある程度の情報をAIに投げて、「こういう切り口で整理して」と指示すれば、経営者にも見せやすい形で返してくれたりする。
経営層に「今こういうことが起きています」と事実ベースで提示するための加速装置として、AIはすごく使いやすいですね。
とはいえ、「じゃあそのうえで、何を変えるのか」「どこから手をつけるのか」という意思決定の部分は、人間がやるべきところだと思っています。
AI時代でも変わらない「ブランドの土台」
脇谷:AIとか内製化が進んでいく中で、「デザインの仕事ってどうなっていくんだろう」という話も出てきますよね。
佐藤:作り方とか体制は、これからもどんどん変わっていくと思います。
バナーとかLPのたたき台をAIで作って、最終調整だけ人がやる、みたいなフローも増えていくでしょうし。
でも、何を良い体験とするのかとか、どこからが「イケてない」と感じるのかといった判断基準は、人からしか生まれないと思っていて。
その判断基準って、企業のミッションやビジョンとか、カルチャーとか、ビジュアルアイデンティティみたいな「ブランドの土台」と直結しているんですよね。
ここが曖昧なままAIに「〇〇と△△の間みたいなロゴを作って」と指示しても、
それっぽいけど芯のないアウトプットが量産されるだけになってしまう。
なので、AIがどれだけ進化しても、「ブランドの土台」を一緒につくっていく仕事は、引き続き人間がやっていく必要があると感じています。
ユーザーの代表として地方企業と向き合う
経営者の満足ではなく、ユーザーと社会への意義を優先する
脇谷:お話を聞いていると、クライアントとの向き合い方も特徴的だなと感じます。経営者の意見とユーザーの視点って、どうバランスを取っているんですか?
佐藤:もちろん、経営者の想いや美意識はすごく尊重します。
ただ、その人が喜ぶものだけを作ることをゴールには置いていないんです。
一番大事にしているのは、その企業のサービスを受けるユーザーや、そこから生まれる社会的な意義に対して、ちゃんと応えられているかどうか。
だから、トイレの汚さとか、店内の狭さとか、Webの導線のわかりづらさとか、
社内の人はあまり触れたがらないけど、ユーザーは確実に感じているポイントについても、あえてはっきりと言うようにしています。
日常の消費行動から感性をチューニングする
脇谷:その「ユーザーの代表」でいるために、日頃から意識していることってありますか?
佐藤:すごくシンプルなんですけど、自分の日常の消費行動をちゃんと観察するようにしています。
どんな店だと気持ちよくお金を払えるのか
どんな体験のときに「なんか嫌だな」と感じるのか
その感覚って、自分だけなのか、多くの人も同じように感じそうなのか
こういうことを、なるべくスルーしないようにするんです。
それをチームのメンバーとかクライアントと話してみて、「あ、みんなもそう感じてるんだな」とか、「これは自分が気にしすぎなだけかもな」とか、少しずつ感覚をチューニングしていく。
そうやって、自分の感性と市場の感覚があまりズレすぎないようにしておく。
これは、デザイン経営をやるうえでは、意外と大事なトレーニングだと思っています。
地方・技術系企業へのフォーカス
脇谷:以前から地方や技術系の企業を支援されていますが、そこにフォーカスしている理由も改めて聞いてみたいです。
佐藤:地方に行くと、「世界に一台しかない機械を作っています」とか、「大手の美容ブランドに納品しています」とか、本当にすごい技術やプロダクトを持っている会社がたくさんあるんです。
でも、代理店を挟んでいるので、エンドユーザーから見ると「その会社の名前は一切出てこない」みたいなケースがすごく多い。
サービスや技術に問題があるわけじゃなくて、「自分たちの価値を自分たちの名前で発信する機能」が欠けている状態なんですよね。
そこに、デザイン経営の視点を持ち込むことで、ちゃんと価値を取り戻せる余地がある。
だからこそ、地方や中小・技術系の企業にフォーカスしたいという気持ちがあります。
earthcampus×JOOiで目指す「伴走型のデザイン経営」

脇谷:そういった企業に対して、今回の協業を通じてどう関わっていくのか佐藤さんはイメージを持っていますか?
佐藤:僕らだけだと、どうしてもリソースに限界があります。
なので、デザイン経営のハブとしてearthcampusが入りつつ、必要に応じてチームを組んでいくようなかたちをイメージしています。
データとユーザーの声を集めて整理する役割
体験のマイナスを見つけて設計し直す役割
ビジュアルやコピーとして実装していく役割
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大きなプロジェクトだけではなく、地方や中小の企業にも届くサイズ感で、「伴走型のデザイン経営」を一緒につくっていけたらと思っています。
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地方の中小企業や技術系企業の支援を通じて見えてきた「中身は良いのに発信や体験設計で機会を逃している」状況や、未顧客の静かな離脱、感性とデータ、そしてAIの扱い方。
そうしたテーマを軸に、現場での具体的なエピソードも交えながらデザイン経営のリアルを掘り下げています。
この記事では、その対談の内容を、実際の会話の流れに沿ってまとめていきます。
ぜひ最後までご覧ください。
対談者紹介
佐藤 涼介

大学卒業後にビジネスコンサルティング会社を設立し、中小企業の経営・金融戦略・会計を支援。その後、クライアントに最適なクリエイティブを提供するearthcampus株式会社を設立。UXデザインを基盤にエンドユーザーの体験と「愛の循環」を重視したクリエイティブを手がけ、2022年からはJリーグクラブ「愛媛FC」のクリエイティブディレクターも務めている。
脇谷 光多

2019年にユナイテッド株式会社へ新卒入社。グループ各社が保有する複数プロダクトの新規営業を経験したのち、DXコンサルティング部門にてインサイドセールスチームの立ち上げに従事。 現在は株式会社リベイスにて、高い審査基準を設けたデザイナーマッチングサービス「JOOi」の事業統括を行う。
デザイン経営をどう捉えているか
「全ての経営者がデザイン投資すべき」とは思っていない
脇谷:本日は「真のデザイン経営とは?」というテーマでお話できればと思っています。最近、「デザイン経営」という言葉だけが一人歩きしている感じもあるので、改めてちゃんと定義してから議論を進めていきたいと思います。
佐藤:そうですね。まず僕は、「全ての経営者がデザインに投資すべきだ」とまでは思っていないんです。
ただ一方で、「デザインがちゃんと入るだけで、事業がぐっと良くなる」みたいな余白を持っている会社って、確実に存在していると思っています。
その余白があるのに、デザインの投資が届いていない企業がすごく多い。そこにずっとモヤモヤしている感覚があります。
「余白」の大きい企業にこそ届いてほしい
佐藤:特に地方の中小企業や技術系の会社は、プロダクトや技術は素晴らしいのに、発信とか体験設計の部分が追いついていないことが多いんですよね。
僕が「余白がある」と言っているのは、そのギャップのことなんです。 中身のクオリティと、外から見たときの伝わり方にズレがあって、本当はもっと評価されていいのに、手前のデザインや体験の設計が整っていないせいで取りこぼしている状態。
たとえば、直帰率が高いサイトなのに、指名検索で人はちゃんと来ているとか。 口コミで「商品はいい」と言われているのに、Webやパンフレットだけ見ると魅力が伝わってこないとか。
そういう「もったいない差分」が大きい会社ほど、デザインが入ったときの伸びしろも大きい。
だからこそ、そういうところに「デザイン経営」という考え方をきちんと持ち込む意味があるんじゃないかと感じています。
中身は良いのに伝わらない現場と未顧客の違和感
指名検索はあるのに直帰率80〜90%の現実
脇谷:これまでいろんな企業を伴走されてきたと思うんですが、どういう会社が多いですか?
佐藤:ざっくり言うと、老舗企業とか、地方の中小企業とか、技術系のメーカーさんが多いですね。
これまで伴走させてもらったのは、だいたい6社くらいですけど、業種はバラバラです。
ただ共通しているのは、**「中身はめちゃくちゃ良いのに、発信と体験設計が追いついていない」**ということなんです。
例えば地元ではすごく有名な企業さんだと、指名検索でサイトにはちゃんと人が来ているんですよ。
でも蓋を開けてみると、直帰率が80〜90%だったりする。
つまり、会社名で調べてくれるくらいには興味を持ってくれている人が、ページを開いて数秒で「なんだこれ」と思って帰ってしまっている状態なんですよね。
数字には現れにくい「静かな離脱」

脇谷:その状態って、数字としては「PVはある」けど、「静かに離脱されている」みたいな状況ですよね。
佐藤:そうなんです。しかも、その人たちはクレームも書かないし、問い合わせもしてこない。
「なんか違うな」と思って、そっとタブを閉じるだけなんですよね。
アンケートにも出てこないし、口コミにも書かれない。
でも、実はその静かな違和感を持っている未顧客が、一番多かったりする。
デザイン経営の一歩目は「何も言わない人」を想像すること
佐藤:デザイン経営の一歩目って、ここにどれだけ想像力を伸ばせるかだと思っていて。
声を上げてくれた人だけを見るんじゃなくて、何も言わずに離脱した人たちをちゃんとイメージできるかどうか、ですね。
マイナスを削るデザインと感性・データ・AIの関係
某有名テーマパークに見る「古びない体験」のつくり方
脇谷:その話を聞いていると、以前おっしゃっていた某有名テーマパークの例を思い出します。あの話、すごく印象的だったので、改めて聞いてもいいですか?
佐藤:そのテーマパークって、建物自体は結構古いんですよね。
僕が子どもの頃からあるアトラクションも、普通に現役で動いています。でも今の小学生も中学生も、違和感なく「行きたい場所」として選んでいる。
じゃあ、なぜ「古びた遊園地」に見えないのかって考えたときに、いろいろ見ていくと**「マイナスを徹底的に削っているからだな」**と思ったんです。
園内には清掃スタッフがものすごい人数いて、常に掃除している。
スペースマウンテンの待ち列の手すりとかにも、ほこりが全然溜まっていない。普通の遊園地だったら絶対ほこりだらけになっている場所まで、ちゃんと手が入っている。
僕の中では、それって鍋のアクをずっと取り続けている感じです。
プラスの演出をどんどん足している、というよりは、体験を冷やすマイナスの要素を徹底的に取り除き続けている。
これは、どの会社でもスケールは違えど、真似できる考え方なんじゃないかなと思っています。
Webでも店舗でも「マイナス」から見る
脇谷:企業の現場でいうと、どういうところからマイナスを見ていくんですか?
佐藤:Webであれば、わかりやすいのは重さとか読みにくさですね。
ページが開くまでに時間がかかる、フォントサイズが小さすぎて読みづらい、欲しい情報にたどり着くまでに何回もクリックしないといけない、みたいな。
リアルな店舗であれば、さっきのトイレの話が典型ですけど、
トイレが汚い、狭い、落ち着かない
席の間隔が狭すぎてくつろげない
行列の待ち時間がストレスになる
みたいなところですね。
こういうのって、ユーザーはわざわざ「ここが嫌でした」とは言わないんですけど、心のなかでは確実にマイナス評価になっているポイントなんですよね。
だから、真のデザイン経営の一歩目は、何か新しいものを足すことじゃなくて、マイナスをゼロに近づけていくことだと思っています。
「感性が先、データが後」という順番
脇谷:今のお話って、すごく感性の話だと思うんですけど、一方でデータも見ていらっしゃるじゃないですか。感覚とデータって、どういうバランスで扱っているんですか?
佐藤:僕の場合は、順番として「感性が先、データが後」です。
まずは自分の中のファーストインプレッションを大事にしていて、「なんか重いな」「読みづらいな」「この写真、ユーザーの目線とずれているな」みたいな違和感を、一旦そのまま素直に持っておくんです。
そのうえで、「本当にそうなのか?」を確かめに、データを見に行くイメージですね。
Google Analyticsやサーチコンソールで直帰率や離脱率を見たり、口コミやGoogleレビューで、ユーザーが何を評価していて、何に不満を感じているのかを確認したり。
そうやって、自分の感覚とユーザーの実際の反応をすり合わせていく。
そのため最終的な判断も僕が好きか嫌いかではなく、ユーザー体験としてどうかを基準に決めている感覚です。
AIは「可視化と提示」を早くする道具
脇谷:AIツールについては、どういう風に捉えていますか?
佐藤:AIは、データの整理とか可視化、あとは提示の部分で、すごく相性がいいなと思っています。
顧客の動きとか、どこで離脱しているかって、昔だったら人がひたすらスプレッドシートをいじって分析していたと思うんですけど、
今はある程度の情報をAIに投げて、「こういう切り口で整理して」と指示すれば、経営者にも見せやすい形で返してくれたりする。
経営層に「今こういうことが起きています」と事実ベースで提示するための加速装置として、AIはすごく使いやすいですね。
とはいえ、「じゃあそのうえで、何を変えるのか」「どこから手をつけるのか」という意思決定の部分は、人間がやるべきところだと思っています。
AI時代でも変わらない「ブランドの土台」
脇谷:AIとか内製化が進んでいく中で、「デザインの仕事ってどうなっていくんだろう」という話も出てきますよね。
佐藤:作り方とか体制は、これからもどんどん変わっていくと思います。
バナーとかLPのたたき台をAIで作って、最終調整だけ人がやる、みたいなフローも増えていくでしょうし。
でも、何を良い体験とするのかとか、どこからが「イケてない」と感じるのかといった判断基準は、人からしか生まれないと思っていて。
その判断基準って、企業のミッションやビジョンとか、カルチャーとか、ビジュアルアイデンティティみたいな「ブランドの土台」と直結しているんですよね。
ここが曖昧なままAIに「〇〇と△△の間みたいなロゴを作って」と指示しても、
それっぽいけど芯のないアウトプットが量産されるだけになってしまう。
なので、AIがどれだけ進化しても、「ブランドの土台」を一緒につくっていく仕事は、引き続き人間がやっていく必要があると感じています。
ユーザーの代表として地方企業と向き合う
経営者の満足ではなく、ユーザーと社会への意義を優先する
脇谷:お話を聞いていると、クライアントとの向き合い方も特徴的だなと感じます。経営者の意見とユーザーの視点って、どうバランスを取っているんですか?
佐藤:もちろん、経営者の想いや美意識はすごく尊重します。
ただ、その人が喜ぶものだけを作ることをゴールには置いていないんです。
一番大事にしているのは、その企業のサービスを受けるユーザーや、そこから生まれる社会的な意義に対して、ちゃんと応えられているかどうか。
だから、トイレの汚さとか、店内の狭さとか、Webの導線のわかりづらさとか、
社内の人はあまり触れたがらないけど、ユーザーは確実に感じているポイントについても、あえてはっきりと言うようにしています。
日常の消費行動から感性をチューニングする
脇谷:その「ユーザーの代表」でいるために、日頃から意識していることってありますか?
佐藤:すごくシンプルなんですけど、自分の日常の消費行動をちゃんと観察するようにしています。
どんな店だと気持ちよくお金を払えるのか
どんな体験のときに「なんか嫌だな」と感じるのか
その感覚って、自分だけなのか、多くの人も同じように感じそうなのか
こういうことを、なるべくスルーしないようにするんです。
それをチームのメンバーとかクライアントと話してみて、「あ、みんなもそう感じてるんだな」とか、「これは自分が気にしすぎなだけかもな」とか、少しずつ感覚をチューニングしていく。
そうやって、自分の感性と市場の感覚があまりズレすぎないようにしておく。
これは、デザイン経営をやるうえでは、意外と大事なトレーニングだと思っています。
地方・技術系企業へのフォーカス
脇谷:以前から地方や技術系の企業を支援されていますが、そこにフォーカスしている理由も改めて聞いてみたいです。
佐藤:地方に行くと、「世界に一台しかない機械を作っています」とか、「大手の美容ブランドに納品しています」とか、本当にすごい技術やプロダクトを持っている会社がたくさんあるんです。
でも、代理店を挟んでいるので、エンドユーザーから見ると「その会社の名前は一切出てこない」みたいなケースがすごく多い。
サービスや技術に問題があるわけじゃなくて、「自分たちの価値を自分たちの名前で発信する機能」が欠けている状態なんですよね。
そこに、デザイン経営の視点を持ち込むことで、ちゃんと価値を取り戻せる余地がある。
だからこそ、地方や中小・技術系の企業にフォーカスしたいという気持ちがあります。
earthcampus×JOOiで目指す「伴走型のデザイン経営」

脇谷:そういった企業に対して、今回の協業を通じてどう関わっていくのか佐藤さんはイメージを持っていますか?
佐藤:僕らだけだと、どうしてもリソースに限界があります。
なので、デザイン経営のハブとしてearthcampusが入りつつ、必要に応じてチームを組んでいくようなかたちをイメージしています。
データとユーザーの声を集めて整理する役割
体験のマイナスを見つけて設計し直す役割
ビジュアルやコピーとして実装していく役割
こういったものを、小さなチームで回していくイメージですね。
大きなプロジェクトだけではなく、地方や中小の企業にも届くサイズ感で、「伴走型のデザイン経営」を一緒につくっていけたらと思っています。
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