未経験からUI/UXデザイナーとして働くには?必要なスキルと学習ロードマップを紹介

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未経験からUI/UXデザイナーとして働くには?必要なスキルと学習ロードマップを紹介

投稿日:

2024.01.01

デジタルサービスが社会インフラとして定着する今、ユーザーにとっての操作性や快適な体験そのものが企業の競争力を左右しています。その実現を担うのがUI/UXデザイナーです。UI(ユーザーインターフェース)は画面上の要素を設計し、UX(ユーザーエクスペリエンス)は利用開始から体験後の満足に至るまで全体を設計します。両者は専門領域が異なりながらも、連動することでプロダクトの成果を最大化します。

本記事では、未経験からUI/UXデザイナーを目指すためのステップを整理するとともに、企業のご担当者に向けて「ハイレベルなデザイナーが参画することでプロダクトにどのような付加価値が生まれるのか」を具体的に解説します。ぜひご参考ください。


UIUXデザイナーとは?UIとUXの違い

UI と UX の違いを押さえる

UI はユーザーが直接触れるレイヤーです。

たとえばネット銀行アプリでは、振込ボタンの色や残高表示の位置、入力フォームの縦横比といった画面上の要素を定義し、操作が直感的に行えるようにします。

一方の UX は、アプリをインストールした瞬間から振込完了後に安心感を得るところまでを含む体験全体を対象にします。UX デザイナーはインタビューやアクセス解析を通じて課題を抽出し、機能の優先順位を整理し、継続的な検証で体験を磨き込みます。言い換えれば UI が「目に見える使いやすさ」をつくり、UX が「使い続けたくなる納得感」をつくります。

UXデザイナーの役割と仕事内容

UXデザイナーは、リサーチャーとしての視点とサービス戦略家としての視点を併せ持ちます。ユーザーインタビューや日記調査、競合分析を行い、顧客の課題を抽出します。次にカスタマージャーニーマップやジョブ理論を用いて課題を整理し、価値仮説を立てます。短期間で低忠実度プロトタイプを作成し、ユーザビリティテストを実施して操作成功率や作業時間、感情の変化を測定します。その結果を基に改善を繰り返し、リリース後もAmplitudeなどの分析ツールで行動データを追跡し、継続率や収益性の変化を検証します。

UXデザイナーの役割と仕事内容

このように調査から検証、改善までを一貫して担うことで、UXデザイナーは体験価値を事業成果へと直結させます。例えば、リニューアルによって問い合わせ件数が30%削減されたり、年間売上が数億円単位で増加するケースもあります。単なる見た目の改善にとどまらず、継続率向上や顧客満足度の向上といったKPIに直結する成果を生み出す点が、UXデザイナーの最大の役割です。


ここまではUIUXデザイナーの需要について解説しました。 次に未経験者がUIUXデザイナーになるためのロードマップをご紹介します。

未経験からUI/UXデザイナーに採用されるために必要なスキル

デザインの基礎知識とセンス

近接・整列・反復・対比の4大原則、色彩理論、視覚階層は必修です。良質なUIを分解し、「配色比率」「余白のリズム」を言語化するトレーニングを続けましょう。BONOのロードマップでは“配色・タイポグラフィ・アイコン”の3領域を横断学習することが書類選考通過率を高めるとされています。

デザインツールの習得

JOOiデザイナーの独自アンケートではJOOi在籍デザイナーの75 %がFigmaを実務で使用しており、次点はAdobe XD 58 %です。

Figmaを選ぶ場合はオートレイアウト・コンポーネント・バリアントの3機能を最優先で習得すると作業効率があげることができます。

ユーザー調査と分析スキル

ユーザーインタビュー→Affinity Diagram→ペルソナ→カスタマージャーニーという流れを理解しましょう。定量面ではGA4やAmplitudeで継続率・タスク成功率を可視化し、「数字を行動文に翻訳」する力がクライアントとのコミュニケーションを円滑にします。

ワイヤーフレームとプロトタイピング

Crazy 8sで案を発散し、MiroやFigJamでステークホルダーと合意形成。高忠実度プロトタイプはFigmaのPrototype機能で最短構築し、SUS(System Usability Scale)スコアを測定します。

未経験からUI/UXデザイナーになるためのロードマップ

知識を増やすだけでは採用に結びつきません。重要なのは 実践に到達するまでの導線 を設計することです。下記は、初めての有償案件に届くまでを想定した行動ベースのステップです。

最初の2カ月で理論を理解し、次の一カ月で Figma の操作を集中的に学びます。その後、半年ほどをかけて月一回のペースで作品を制作し、課題設定から検証結果までを公開します。作品数が3つを超える頃には、自分の成長曲線と反響データが可視化され、ポートフォリオに説得力が宿ります。最後はトップページに要約カードを配置し、詳細ページでプロセスと成果を時系列で説明する構成にまとめると、採用担当者は30秒で実力を判断できます。

未経験者向けUI/UXデザイン学習リソース

おすすめのオンラインコース

  • Google UX Design(Coursera):7コース構成で認定証取得可

  • Udemy – Figma for UX/UI:実案件フローを模擬体験

  • Human‑Computer Interaction (Stanford Online):理論と調査手法を体系的に学習

UI/UXデザイン入門書籍

  • 『ノンデザイナーズ・デザインブック第4版』

  • 『Don't Make Me Think, Revisited』

  • 『UIデザインの心理学』

JOOiがこれまで支援したUI/UX 支援事例

大手 EC プラットフォーム——購入フローを3タップ短縮し、年商を底上げ

国内トップクラスの取扱高を誇る EC プラットフォームでは、カート離脱率が二桁台で高止まりしていました。JOOi から参画した UI/UX デザイナーはまずアクセスログとユーザーインタビューを突き合わせ、「送料の不透明さ」と「決済ボタンの分散」という二つの摩擦点を特定します。解決策として送料を商品一覧の段階で明示し、決済導線を最短三タップで完了できるフローに再設計しました。リリース後一カ月でカート離脱率は十二パーセントから九パーセントに低減し、年間売上は約二億四千万円(推計)上積みされました。

BtoB SaaS——検索体験を再定義し、NPS を 18 ポイント押し上げ

専門性の高い業務マニュアルを扱う BtoB SaaS では、検索キーワードが業界固有語で多岐にわたるため、利用者が目的の資料にたどり着けないという課題がありました。JOOi は UX リサーチャーと UI デザイナーの二名体制で支援を開始し、顧客企業十五社にヒアリングを実施。業務シーンごとの検索語を洗い出し、「タスク起点のファセット検索」に切り替えるUIを提案しました。さらに AI レコメンドを補助的に組み込み、検索結果の初回到達率を七割から九割へ改善。検索完了までの平均所要時間は約半分になり、翌四半期のNPS は 18 ポイント上昇しました。

FinTech アプリ——オンボーディングを一本化し、初回継続率を8%改善

キャッシュレス決済アプリを運営するスタートアップは、口座登録から初回決済までの離脱が多く、登録ユーザーの四割が一週間以内に離脱していました。JOOi の UX デザイナーはユーザーテストを行い、本人確認フローが画面遷移をまたいで複雑化している点を発見します。そこでステップを一本のスクロールフローに集約し、入力補完とリアルタイムバリデーションを導入。あわせて UI デザイナーが「利用開始まであと○%」と進捗を可視化するマイクロインタラクションを追加しました。結果、オンボーディング完了率は61パーセントから69パーセントへ、初回決済完了率は8パーセント改善しました。

教育系 Web サービス——3者フローを再設計し、問い合わせ件数を 35 %削減

オンライン学習サービスを提供する企業では、保護者・生徒・講師という3者のダッシュボードがバラバラに設計されており、サポートセンターへの質問が絶えない状態でした。JOOi からはフルスタック型の UI/UX デザイナーが参画し、最初の二週間で現状フローをブループリント化。三者の目的を横串で整理したうえで、共通コンポーネントと権限ロジックを再設計しました。リニューアル版は三カ月で公開され、レッスン予約や課題提出がワンストップで完結するようになったことで問い合わせ件数は35パーセント減少。講師側のレポート提出時間も平均二割短縮され、事業側はサポートコストを削減しながら利用継続率を高めることに成功しました。

上記4事例に共通するのは、「課題の特定 → 体験設計 → 計測と検証」という一連のサイクルを JOOi のデザイナーが主体的に推進した点です。数値目標をプロダクト KGI とひもづけることで、UI 改善が単なる見た目の刷新に留まらず、継続率や売上といった経営指標へ直結する成果を生みました。UI/UX の専門家をプロジェクトの初期から巻き込むことで、開発コストを抑えながらビジネスインパクトを最大化します。

まとめ

未経験からUI/UXデザイナーになる道は決して平坦ではありませんが、ポートフォリオに数値根拠を盛り込めば確実にチャンスは広がります。デザインは「才能」よりも「検証と改善」のサイクルで伸びる職能です。ぜひ本記事のロードマップを実践し、第一歩を踏み出してください。


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2024.01.01

デジタルサービスが社会インフラとして定着する今、ユーザーにとっての操作性や快適な体験そのものが企業の競争力を左右しています。その実現を担うのがUI/UXデザイナーです。UI(ユーザーインターフェース)は画面上の要素を設計し、UX(ユーザーエクスペリエンス)は利用開始から体験後の満足に至るまで全体を設計します。両者は専門領域が異なりながらも、連動することでプロダクトの成果を最大化します。

本記事では、未経験からUI/UXデザイナーを目指すためのステップを整理するとともに、企業のご担当者に向けて「ハイレベルなデザイナーが参画することでプロダクトにどのような付加価値が生まれるのか」を具体的に解説します。ぜひご参考ください。


UIUXデザイナーとは?UIとUXの違い

UI と UX の違いを押さえる

UI はユーザーが直接触れるレイヤーです。

たとえばネット銀行アプリでは、振込ボタンの色や残高表示の位置、入力フォームの縦横比といった画面上の要素を定義し、操作が直感的に行えるようにします。

一方の UX は、アプリをインストールした瞬間から振込完了後に安心感を得るところまでを含む体験全体を対象にします。UX デザイナーはインタビューやアクセス解析を通じて課題を抽出し、機能の優先順位を整理し、継続的な検証で体験を磨き込みます。言い換えれば UI が「目に見える使いやすさ」をつくり、UX が「使い続けたくなる納得感」をつくります。

UXデザイナーの役割と仕事内容

UXデザイナーは、リサーチャーとしての視点とサービス戦略家としての視点を併せ持ちます。ユーザーインタビューや日記調査、競合分析を行い、顧客の課題を抽出します。次にカスタマージャーニーマップやジョブ理論を用いて課題を整理し、価値仮説を立てます。短期間で低忠実度プロトタイプを作成し、ユーザビリティテストを実施して操作成功率や作業時間、感情の変化を測定します。その結果を基に改善を繰り返し、リリース後もAmplitudeなどの分析ツールで行動データを追跡し、継続率や収益性の変化を検証します。

UXデザイナーの役割と仕事内容

このように調査から検証、改善までを一貫して担うことで、UXデザイナーは体験価値を事業成果へと直結させます。例えば、リニューアルによって問い合わせ件数が30%削減されたり、年間売上が数億円単位で増加するケースもあります。単なる見た目の改善にとどまらず、継続率向上や顧客満足度の向上といったKPIに直結する成果を生み出す点が、UXデザイナーの最大の役割です。


ここまではUIUXデザイナーの需要について解説しました。 次に未経験者がUIUXデザイナーになるためのロードマップをご紹介します。

未経験からUI/UXデザイナーに採用されるために必要なスキル

デザインの基礎知識とセンス

近接・整列・反復・対比の4大原則、色彩理論、視覚階層は必修です。良質なUIを分解し、「配色比率」「余白のリズム」を言語化するトレーニングを続けましょう。BONOのロードマップでは“配色・タイポグラフィ・アイコン”の3領域を横断学習することが書類選考通過率を高めるとされています。

デザインツールの習得

JOOiデザイナーの独自アンケートではJOOi在籍デザイナーの75 %がFigmaを実務で使用しており、次点はAdobe XD 58 %です。

Figmaを選ぶ場合はオートレイアウト・コンポーネント・バリアントの3機能を最優先で習得すると作業効率があげることができます。

ユーザー調査と分析スキル

ユーザーインタビュー→Affinity Diagram→ペルソナ→カスタマージャーニーという流れを理解しましょう。定量面ではGA4やAmplitudeで継続率・タスク成功率を可視化し、「数字を行動文に翻訳」する力がクライアントとのコミュニケーションを円滑にします。

ワイヤーフレームとプロトタイピング

Crazy 8sで案を発散し、MiroやFigJamでステークホルダーと合意形成。高忠実度プロトタイプはFigmaのPrototype機能で最短構築し、SUS(System Usability Scale)スコアを測定します。

未経験からUI/UXデザイナーになるためのロードマップ

知識を増やすだけでは採用に結びつきません。重要なのは 実践に到達するまでの導線 を設計することです。下記は、初めての有償案件に届くまでを想定した行動ベースのステップです。

最初の2カ月で理論を理解し、次の一カ月で Figma の操作を集中的に学びます。その後、半年ほどをかけて月一回のペースで作品を制作し、課題設定から検証結果までを公開します。作品数が3つを超える頃には、自分の成長曲線と反響データが可視化され、ポートフォリオに説得力が宿ります。最後はトップページに要約カードを配置し、詳細ページでプロセスと成果を時系列で説明する構成にまとめると、採用担当者は30秒で実力を判断できます。

未経験者向けUI/UXデザイン学習リソース

おすすめのオンラインコース

  • Google UX Design(Coursera):7コース構成で認定証取得可

  • Udemy – Figma for UX/UI:実案件フローを模擬体験

  • Human‑Computer Interaction (Stanford Online):理論と調査手法を体系的に学習

UI/UXデザイン入門書籍

  • 『ノンデザイナーズ・デザインブック第4版』

  • 『Don't Make Me Think, Revisited』

  • 『UIデザインの心理学』

JOOiがこれまで支援したUI/UX 支援事例

大手 EC プラットフォーム——購入フローを3タップ短縮し、年商を底上げ

国内トップクラスの取扱高を誇る EC プラットフォームでは、カート離脱率が二桁台で高止まりしていました。JOOi から参画した UI/UX デザイナーはまずアクセスログとユーザーインタビューを突き合わせ、「送料の不透明さ」と「決済ボタンの分散」という二つの摩擦点を特定します。解決策として送料を商品一覧の段階で明示し、決済導線を最短三タップで完了できるフローに再設計しました。リリース後一カ月でカート離脱率は十二パーセントから九パーセントに低減し、年間売上は約二億四千万円(推計)上積みされました。

BtoB SaaS——検索体験を再定義し、NPS を 18 ポイント押し上げ

専門性の高い業務マニュアルを扱う BtoB SaaS では、検索キーワードが業界固有語で多岐にわたるため、利用者が目的の資料にたどり着けないという課題がありました。JOOi は UX リサーチャーと UI デザイナーの二名体制で支援を開始し、顧客企業十五社にヒアリングを実施。業務シーンごとの検索語を洗い出し、「タスク起点のファセット検索」に切り替えるUIを提案しました。さらに AI レコメンドを補助的に組み込み、検索結果の初回到達率を七割から九割へ改善。検索完了までの平均所要時間は約半分になり、翌四半期のNPS は 18 ポイント上昇しました。

FinTech アプリ——オンボーディングを一本化し、初回継続率を8%改善

キャッシュレス決済アプリを運営するスタートアップは、口座登録から初回決済までの離脱が多く、登録ユーザーの四割が一週間以内に離脱していました。JOOi の UX デザイナーはユーザーテストを行い、本人確認フローが画面遷移をまたいで複雑化している点を発見します。そこでステップを一本のスクロールフローに集約し、入力補完とリアルタイムバリデーションを導入。あわせて UI デザイナーが「利用開始まであと○%」と進捗を可視化するマイクロインタラクションを追加しました。結果、オンボーディング完了率は61パーセントから69パーセントへ、初回決済完了率は8パーセント改善しました。

教育系 Web サービス——3者フローを再設計し、問い合わせ件数を 35 %削減

オンライン学習サービスを提供する企業では、保護者・生徒・講師という3者のダッシュボードがバラバラに設計されており、サポートセンターへの質問が絶えない状態でした。JOOi からはフルスタック型の UI/UX デザイナーが参画し、最初の二週間で現状フローをブループリント化。三者の目的を横串で整理したうえで、共通コンポーネントと権限ロジックを再設計しました。リニューアル版は三カ月で公開され、レッスン予約や課題提出がワンストップで完結するようになったことで問い合わせ件数は35パーセント減少。講師側のレポート提出時間も平均二割短縮され、事業側はサポートコストを削減しながら利用継続率を高めることに成功しました。

上記4事例に共通するのは、「課題の特定 → 体験設計 → 計測と検証」という一連のサイクルを JOOi のデザイナーが主体的に推進した点です。数値目標をプロダクト KGI とひもづけることで、UI 改善が単なる見た目の刷新に留まらず、継続率や売上といった経営指標へ直結する成果を生みました。UI/UX の専門家をプロジェクトの初期から巻き込むことで、開発コストを抑えながらビジネスインパクトを最大化します。

まとめ

未経験からUI/UXデザイナーになる道は決して平坦ではありませんが、ポートフォリオに数値根拠を盛り込めば確実にチャンスは広がります。デザインは「才能」よりも「検証と改善」のサイクルで伸びる職能です。ぜひ本記事のロードマップを実践し、第一歩を踏み出してください。


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2024.01.01

デジタルサービスが社会インフラとして定着する今、ユーザーにとっての操作性や快適な体験そのものが企業の競争力を左右しています。その実現を担うのがUI/UXデザイナーです。UI(ユーザーインターフェース)は画面上の要素を設計し、UX(ユーザーエクスペリエンス)は利用開始から体験後の満足に至るまで全体を設計します。両者は専門領域が異なりながらも、連動することでプロダクトの成果を最大化します。

本記事では、未経験からUI/UXデザイナーを目指すためのステップを整理するとともに、企業のご担当者に向けて「ハイレベルなデザイナーが参画することでプロダクトにどのような付加価値が生まれるのか」を具体的に解説します。ぜひご参考ください。


UIUXデザイナーとは?UIとUXの違い

UI と UX の違いを押さえる

UI はユーザーが直接触れるレイヤーです。

たとえばネット銀行アプリでは、振込ボタンの色や残高表示の位置、入力フォームの縦横比といった画面上の要素を定義し、操作が直感的に行えるようにします。

一方の UX は、アプリをインストールした瞬間から振込完了後に安心感を得るところまでを含む体験全体を対象にします。UX デザイナーはインタビューやアクセス解析を通じて課題を抽出し、機能の優先順位を整理し、継続的な検証で体験を磨き込みます。言い換えれば UI が「目に見える使いやすさ」をつくり、UX が「使い続けたくなる納得感」をつくります。

UXデザイナーの役割と仕事内容

UXデザイナーは、リサーチャーとしての視点とサービス戦略家としての視点を併せ持ちます。ユーザーインタビューや日記調査、競合分析を行い、顧客の課題を抽出します。次にカスタマージャーニーマップやジョブ理論を用いて課題を整理し、価値仮説を立てます。短期間で低忠実度プロトタイプを作成し、ユーザビリティテストを実施して操作成功率や作業時間、感情の変化を測定します。その結果を基に改善を繰り返し、リリース後もAmplitudeなどの分析ツールで行動データを追跡し、継続率や収益性の変化を検証します。

UXデザイナーの役割と仕事内容

このように調査から検証、改善までを一貫して担うことで、UXデザイナーは体験価値を事業成果へと直結させます。例えば、リニューアルによって問い合わせ件数が30%削減されたり、年間売上が数億円単位で増加するケースもあります。単なる見た目の改善にとどまらず、継続率向上や顧客満足度の向上といったKPIに直結する成果を生み出す点が、UXデザイナーの最大の役割です。


ここまではUIUXデザイナーの需要について解説しました。 次に未経験者がUIUXデザイナーになるためのロードマップをご紹介します。

未経験からUI/UXデザイナーに採用されるために必要なスキル

デザインの基礎知識とセンス

近接・整列・反復・対比の4大原則、色彩理論、視覚階層は必修です。良質なUIを分解し、「配色比率」「余白のリズム」を言語化するトレーニングを続けましょう。BONOのロードマップでは“配色・タイポグラフィ・アイコン”の3領域を横断学習することが書類選考通過率を高めるとされています。

デザインツールの習得

JOOiデザイナーの独自アンケートではJOOi在籍デザイナーの75 %がFigmaを実務で使用しており、次点はAdobe XD 58 %です。

Figmaを選ぶ場合はオートレイアウト・コンポーネント・バリアントの3機能を最優先で習得すると作業効率があげることができます。

ユーザー調査と分析スキル

ユーザーインタビュー→Affinity Diagram→ペルソナ→カスタマージャーニーという流れを理解しましょう。定量面ではGA4やAmplitudeで継続率・タスク成功率を可視化し、「数字を行動文に翻訳」する力がクライアントとのコミュニケーションを円滑にします。

ワイヤーフレームとプロトタイピング

Crazy 8sで案を発散し、MiroやFigJamでステークホルダーと合意形成。高忠実度プロトタイプはFigmaのPrototype機能で最短構築し、SUS(System Usability Scale)スコアを測定します。

未経験からUI/UXデザイナーになるためのロードマップ

知識を増やすだけでは採用に結びつきません。重要なのは 実践に到達するまでの導線 を設計することです。下記は、初めての有償案件に届くまでを想定した行動ベースのステップです。

最初の2カ月で理論を理解し、次の一カ月で Figma の操作を集中的に学びます。その後、半年ほどをかけて月一回のペースで作品を制作し、課題設定から検証結果までを公開します。作品数が3つを超える頃には、自分の成長曲線と反響データが可視化され、ポートフォリオに説得力が宿ります。最後はトップページに要約カードを配置し、詳細ページでプロセスと成果を時系列で説明する構成にまとめると、採用担当者は30秒で実力を判断できます。

未経験者向けUI/UXデザイン学習リソース

おすすめのオンラインコース

  • Google UX Design(Coursera):7コース構成で認定証取得可

  • Udemy – Figma for UX/UI:実案件フローを模擬体験

  • Human‑Computer Interaction (Stanford Online):理論と調査手法を体系的に学習

UI/UXデザイン入門書籍

  • 『ノンデザイナーズ・デザインブック第4版』

  • 『Don't Make Me Think, Revisited』

  • 『UIデザインの心理学』

JOOiがこれまで支援したUI/UX 支援事例

大手 EC プラットフォーム——購入フローを3タップ短縮し、年商を底上げ

国内トップクラスの取扱高を誇る EC プラットフォームでは、カート離脱率が二桁台で高止まりしていました。JOOi から参画した UI/UX デザイナーはまずアクセスログとユーザーインタビューを突き合わせ、「送料の不透明さ」と「決済ボタンの分散」という二つの摩擦点を特定します。解決策として送料を商品一覧の段階で明示し、決済導線を最短三タップで完了できるフローに再設計しました。リリース後一カ月でカート離脱率は十二パーセントから九パーセントに低減し、年間売上は約二億四千万円(推計)上積みされました。

BtoB SaaS——検索体験を再定義し、NPS を 18 ポイント押し上げ

専門性の高い業務マニュアルを扱う BtoB SaaS では、検索キーワードが業界固有語で多岐にわたるため、利用者が目的の資料にたどり着けないという課題がありました。JOOi は UX リサーチャーと UI デザイナーの二名体制で支援を開始し、顧客企業十五社にヒアリングを実施。業務シーンごとの検索語を洗い出し、「タスク起点のファセット検索」に切り替えるUIを提案しました。さらに AI レコメンドを補助的に組み込み、検索結果の初回到達率を七割から九割へ改善。検索完了までの平均所要時間は約半分になり、翌四半期のNPS は 18 ポイント上昇しました。

FinTech アプリ——オンボーディングを一本化し、初回継続率を8%改善

キャッシュレス決済アプリを運営するスタートアップは、口座登録から初回決済までの離脱が多く、登録ユーザーの四割が一週間以内に離脱していました。JOOi の UX デザイナーはユーザーテストを行い、本人確認フローが画面遷移をまたいで複雑化している点を発見します。そこでステップを一本のスクロールフローに集約し、入力補完とリアルタイムバリデーションを導入。あわせて UI デザイナーが「利用開始まであと○%」と進捗を可視化するマイクロインタラクションを追加しました。結果、オンボーディング完了率は61パーセントから69パーセントへ、初回決済完了率は8パーセント改善しました。

教育系 Web サービス——3者フローを再設計し、問い合わせ件数を 35 %削減

オンライン学習サービスを提供する企業では、保護者・生徒・講師という3者のダッシュボードがバラバラに設計されており、サポートセンターへの質問が絶えない状態でした。JOOi からはフルスタック型の UI/UX デザイナーが参画し、最初の二週間で現状フローをブループリント化。三者の目的を横串で整理したうえで、共通コンポーネントと権限ロジックを再設計しました。リニューアル版は三カ月で公開され、レッスン予約や課題提出がワンストップで完結するようになったことで問い合わせ件数は35パーセント減少。講師側のレポート提出時間も平均二割短縮され、事業側はサポートコストを削減しながら利用継続率を高めることに成功しました。

上記4事例に共通するのは、「課題の特定 → 体験設計 → 計測と検証」という一連のサイクルを JOOi のデザイナーが主体的に推進した点です。数値目標をプロダクト KGI とひもづけることで、UI 改善が単なる見た目の刷新に留まらず、継続率や売上といった経営指標へ直結する成果を生みました。UI/UX の専門家をプロジェクトの初期から巻き込むことで、開発コストを抑えながらビジネスインパクトを最大化します。

まとめ

未経験からUI/UXデザイナーになる道は決して平坦ではありませんが、ポートフォリオに数値根拠を盛り込めば確実にチャンスは広がります。デザインは「才能」よりも「検証と改善」のサイクルで伸びる職能です。ぜひ本記事のロードマップを実践し、第一歩を踏み出してください。


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