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UnityでのARゲーム開発について徹底解説

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UnityでのARゲーム開発について徹底解説

UnityでのARゲーム開発について徹底解説

投稿日:

2024.01.01

AR(拡張現実)は、現実の世界にデジタルな映像や情報を重ねて表示することで、これまでにないインタラクティブな体験を実現する技術です。エンタメ、教育、医療、観光といった幅広い分野で活用が進んでおり、特にスマートフォンやタブレットを使ったARゲームは、日常に非日常をもたらす新しい娯楽として急速に普及しています。

そのARゲーム開発において、多くの開発者から支持を得ているツールが「Unity」です。直感的なインターフェースと高い柔軟性、豊富な拡張機能を備えたUnityは、開発の効率化とクオリティの両立を可能にする開発環境として、個人から企業に至るまで幅広く導入されています。

本記事では、Unityを用いたARゲームの開発に関して、基本的な仕組みから、具体的な制作手順、注意点、費用感、さらにはJOOiが扱う案件事例までを、体系的に詳しく解説していきます。

Unityとは?

Unityの動作環境

Unityは高度なグラフィック表現とリアルタイム処理を可能にするため、開発用PCにも相応の性能が求められます。特にAR開発では3Dモデルやセンサーデータの処理が多く発生するため、マシンパワーが不足するとビルドに時間がかかったり、エディタ上での挙動確認が遅延するなど、開発効率に大きな影響を及ぼします。

推奨スペックとしては、OSはWindows 10以降またはmacOS 10.15以降。CPUはIntel Core i5以上、理想はi7やRyzen 7などのマルチスレッド対応のモデル。メモリは最低8GB、推奨は16GB以上。GPUには、DirectX 11対応のNVIDIA GeForce GTX 1060以上、もしくはAppleシリコン(M1・M2)を搭載したMacが望ましいでしょう。ストレージはSSDを推奨し、プロジェクトファイルやビルドデータに十分な空き容量を確保しておくことが必要です。

Unityの特徴とできること

Unityはゲームエンジンでありながら、近年ではリアルタイム3Dプラットフォームとしての側面も強く、ゲーム以外の用途にも幅広く活用されています。その強みは、クロスプラットフォーム対応、豊富な開発リソース、直感的なエディタUI、そして高い拡張性です。

ひとつのプロジェクトからiOS、Android、WebGL、PCアプリなど多様なプラットフォームへ簡単に出力できるため、開発の手間を大幅に削減できます。また、Unity Asset Storeには、3Dモデル、音楽、アニメーション、スクリプト、エフェクトなどが揃っており、開発のスピードアップと品質向上に寄与します。

C#をベースとしたスクリプティングにより、複雑なインタラクションやユーザー体験も実装可能であり、教育や建築、医療、プロモーション分野などでも採用が広がっています。

AR Foundationとは?

AR Foundationは、Unity公式が提供するAR開発のためのパッケージです。iOSで提供されているARKit、Androidで提供されているARCoreという二つの主要なARフレームワークを、共通のAPIで操作できるようにした抽象レイヤーとして機能します。

この仕組みにより、開発者はiOSとAndroidに個別対応する必要がなく、ひとつのコードベースで両方のプラットフォームへ対応したARアプリを構築できます。たとえば、平面検出やアンカー設定、オブジェクトの追従や環境光の推定、デプス(深度)データの取得、オクルージョン処理などを一括で管理でき、複雑なAR機能を比較的簡単に実装することが可能になります。

特に、プロダクションフェーズでの運用や、継続的なアップデートが求められるプロジェクトでは、AR Foundationによる一元管理が保守性と拡張性の両立に大きく寄与します。

Unityを使ったARアプリ作成ステップ


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プロジェクト作成

Unity Hubを使って「新規プロジェクト」を作成する際、テンプレートは「3D」または「URP(Universal Render Pipeline)」を選択します。その後、Package Managerを通じて「AR Foundation」と「XR Plugin Management」をインストールし、開発対象のプラットフォーム(iOSまたはAndroid)に対応したXR Plugin(ARKit、ARCoreなど)を導入します。

Player Settingsでは、AR用の設定として「Use XR Plugin」「Camera Usage Description」などの項目を適切に調整します。これらの準備を整えたうえで、ARセッションを管理するAR SessionとAR Session Originをシーンに配置し、ARカメラやトラッキング対象のプレハブを追加することで、ARアプリの骨組みが完成します。

Vuforiaの設定

画像やマーカーを認識し、それをトリガーとしてARコンテンツを表示する「マーカー型AR」を構築する際は、Vuforiaの導入が適しています。教育や販売促進ツール、AR図鑑、AR名刺など、印刷物との連携を前提としたARでは非常に効果的です。

Vuforiaの導入には、Vuforia Developerポータルでアカウントを作成し、ライセンスキーを取得する必要があります。UnityにVuforia Engineパッケージを導入し、ImageTargetやARCameraなどのコンポーネントをシーンに配置。ターゲット画像を指定し、認識された際に表示される3DモデルやUIを設定することで、AR体験を簡単に構築できます。

ARの実行

Unity Editor上ではARの挙動を完全に再現することはできません。そのため、実機でのテストは必須です。AndroidではUSBデバッグを有効にした端末をUnityに接続することで、ビルド&インストールが可能です。iOSでは、Xcodeを経由してビルドを行い、実機に転送して動作確認を行います。

実機テストでは、カメラの解像度、センサーデータの取得精度、平面検出の精度、端末によるパフォーマンスの違いなど、多くの項目を確認する必要があります。

iOSアプリの作成

iOS向けにARアプリを展開するには、Apple Developer Programへの登録(年間11,800円)が必要です。Unityで「iOS」ビルドサポートを有効にした後、プロジェクトをXcodeプロジェクトとして出力。Xcode上で証明書とプロビジョニングプロファイルを設定し、ビルドと署名を行った後、iPhoneまたはiPadへの転送が可能になります。

App Storeへの公開を想定している場合は、さらにApp Store Connectでの申請作業や審査対応が求められます。UI/UXが不適切な場合や、カメラ

Unityを使ったAR開発の注意点やコツ

ターゲットや目的を定める

ARゲームを開発する際、多くの人が陥りがちなのが「ARを使うこと自体が目的化してしまう」という落とし穴です。たとえば「カメラをかざすと何かが浮かび上がる」というギミックは目を引きますが、それがユーザーにとって本当に意味のある体験となっているかは別問題です。

そこで重要になるのが、「ターゲットユーザー」と「課題設定」です。対象が子どもか大人か、屋内で使うのか屋外で使うのか、体験の頻度は日常的かイベント的かといった想定を、できるだけ具体的に描いてから開発に入ることで、プロダクトの方向性がぶれず、評価も得やすくなります。

小規模なものから作ってみる

Unityを用いたAR開発では、最初からフルスペックのアプリを目指すのではなく、まずは「動くものを作る」ことを優先しましょう。たとえば以下のようなミニマムステップで始めるのが現実的です:

  • ImageTargetの認識に合わせて3Dオブジェクトを表示する

  • 平面検出を行い、タップでオブジェクトを配置する

  • 配置されたオブジェクトをドラッグや回転で操作する

このように段階的に実装と検証を行いながら開発を進めることで、技術の理解が深まるだけでなく、バグの発生ポイントやデバイスごとの差異にも早期に気づくことができます。

遮蔽物を認識する

AR体験のリアリティを高めるうえで、「遮蔽物(オクルージョン)」の処理は欠かせません。たとえば、ユーザーがスマートフォン越しにARオブジェクトを見たとき、現実の物体の背後にちゃんと隠れるような表現ができれば、体験としての自然さが格段に上がります。

近年のiOS端末(iPhone 12 Pro以降)や一部Android端末では、LiDARセンサーや深度センサーの活用によって、現実世界の奥行きを高精度に取得することが可能となっています。AR Foundationではこれらのデータを用いたリアルな遮蔽表現にも対応しており、「現実と仮想の融合感」が一気に高まります。

Unityを使ったARアプリ事例


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IKEA Place

家具を実寸で配置し、部屋のレイアウトをシミュレーションできるIKEAのARアプリ「IKEA Place」は、AR活用の成功事例のひとつです。平面検出によって空間を自動認識し、選んだ家具を現実空間に違和感なく表示。ライティングや影の表現も工夫されており、まるで実物を配置したようなリアリティがあります。

ARを使うことで、サイズの誤認識や色味の違和感といった「ネット通販でありがちな失敗」を回避でき、UX向上だけでなく、購買率アップにも大きく寄与しました。

Pokémon GO

世界中で大ヒットを記録した「Pokémon GO」は、AR技術を広く一般に浸透させるきっかけとなったタイトルです。スマートフォンのカメラ越しにポケモンが現れ、タップで捕まえるという体験は、現実世界を「ゲームフィールド」に変えるという革新的なアプローチでした。

ゲームとしての面白さだけでなく、ユーザーを外に連れ出す設計や、現実の位置情報との連携といった設計思想が、ARの活用法に大きな可能性を示しました。

Google Measure

Googleが提供するARアプリ「Measure」は、スマートフォンを使って簡単に長さを測れるツールです。ARCoreによって平面を検出し、2点間の距離を視覚的に表示することで、メジャー不要の計測体験を実現しています。

日常生活に密着した実用系ARの好例として、プロダクト設計の参考にもなります。

Snapchat AR Lenses

Snapchatのフィルター機能「Lenses」は、顔認識技術とARを組み合わせた代表例です。目や鼻などの顔パーツを自動で認識し、仮想のメガネや動物の耳などをリアルタイムで合成することで、Z世代を中心に爆発的な人気を獲得しました。

ARを「面白い」「シェアしたい」という感情と結びつけた設計が秀逸で、マーケティング的な価値を高める仕掛けとなっています。

ARゲーム開発費用はいくら位か?

ARゲームの開発費用は、プロジェクトの規模、求める機能の複雑さ、対応プラットフォーム数、デザインや3Dモデルの内製/外注といった要素によって大きく変動します。

おおよその費用目安は以下の通りです:

  • 簡易プロトタイプ(平面検出+オブジェクト表示など)…30〜80万円

  • 中規模ゲーム(複数機能、アニメーション、UI設計含む)…150〜500万円

  • 大規模開発(サーバー連携、GPSやAI対応、マルチプラットフォーム)…800〜2000万円以上

加えて、運用フェーズでの保守・アップデート・ログ分析などを含めると、初期開発費の1.5〜2倍程度の総予算を見込んでおく必要があります。

また、Unityに精通したAR開発者はまだ市場に少なく、フリーランスでも月額80万円〜100万円を超えることは珍しくありません。そのため、信頼できる人材とのパートナーシップは費用対効果の観点からも極めて重要です。

まとめ

Unityは、今やARゲーム開発における標準的なプラットフォームとなっており、その豊富な機能と拡張性は、小規模なプロトタイプから大規模な商用プロジェクトまで幅広く対応します。

AR FoundationやVuforiaといった公式・サードパーティのパッケージを活用すれば、iOS/Androidの両対応アプリも比較的スムーズに構築でき、開発効率も格段に向上します。

ただし、AR開発にはハードウェア依存の要素やUX設計、ユーザーの導線設計など、一般的なアプリ開発とは異なる視点が求められるため、実績ある人材との協業が成功の鍵となります。

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