FramerとNotionの連携方法:サイト制作とコンテンツ管理をシームレスにする手順と活用法

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FramerとNotionの連携方法:サイト制作とコンテンツ管理をシームレスにする手順と活用法

投稿日:

2024.01.01

更新頻度が高いサイトほど、デザインとコンテンツを分けて運用するメリットが大きくなります。Framerで見せ方を作り、Notionで中身を一元管理することで、更新は早くなり、デザインは保たれ、効果測定も容易になります。本稿では、基本的な設定から実際の活用法、さらに将来的な展望までをわかりやすく整理して解説します。

FramerとNotionの連携とは?

FramerとNotionの接続には大きく2つの方法があります。ひとつはNotionのデータベースをFramerのCMS(コンテンツ管理機能)に同期する「CMS同期」。もうひとつはNotionページをFramerに直接表示する「ページ埋め込み」です。前者は自由度が高く安定しており、後者は導入の速さが特徴です。

まずは両者の違いと利点を理解してから、次章で手順を確認していきます。

連携の概要とメリット

CMS同期は、Notionにある情報(タイトル、日付、タグ、画像など)をFramerのCMSと結びつけ、編集はNotion、デザインはFramerと役割を分けます。テンプレートの変更も影響を受けにくいため、長期運用で安定します。

一方、ページ埋め込みはNotionページをそのままFramerのEmbedブロックに差し込む方法です。外観調整は限られますが、スピード優先で公開したい特設や速報ページには適しています。

主な活用シーン

ブログやニュースのように「同じ構造で更新が多いコンテンツ」はCMS同期で効率化できます。記事をNotionで書き、Framerで一覧や詳細ページを整えれば、更新から公開までがスムーズになります。

一方、社内マニュアルやイベント要項など「Notionの見た目をそのまま活かしたい」場合はページ埋め込みが便利です。短期間のキャンペーンページなどでも活用できます。

連携に必要な条件

CMS同期には、FramerのCMSが使えるプランと、Notionのデータベースに接続できる権限が必要です。プラグインを通じて認可すると、両者のフィールドを結びつけられます。

ページ埋め込みでは、Notionページを「Share to Web」で公開し、URLまたはiFrameコードを取得すればOKです。Framer側のEmbedブロックに貼り付ければ表示できますが、一部ページはセキュリティ設定で制限される場合があります。

FramerとNotionの連携手順

ここからは実際の設定の流れを見ていきます。CMS同期とページ埋め込み、それぞれに必要な準備と操作を順を追って説明します。

Notionページの準備

CMS同期の場合

用途に応じたデータベース(ブログ、イベントなど)をNotionで作成します。推奨フィールドは「タイトル/スラッグ/公開日/タグ/カバー画像/本文」です。少なくとも1件サンプルを入れておくと、Framer側でマッピングしやすくなります。

ページ埋め込みの場合

対象ページを完成させたら「Share to Web」をオンにします。取得できる公開URLやiFrameコードをFramerに貼る準備をします。

Framerでの埋め込み方法

CMS同期の場合

Framerプロジェクトを開き、プラグインからNotionを選択。認可後、対象のデータベースを指定し、フィールドをFramer CMSの項目に対応させます。

ページ埋め込みの場合

Framerの「Embed」ブロックにNotionの公開URLまたはiFrameコードを入力するだけです。ただし一部の外部ページはセキュリティ設定で表示できないこともあります。

カスタムデザインの適用

CMS同期の場合

CMSに同期されたコンテンツを、Framerのカードやリスト、詳細ページなどにバインドします。タグによる絞り込みや日付順の並び替えも可能です。テンプレートを変えるだけで全体にデザインが反映されるため、統一感を保ちやすくなります。

ページ埋め込みの場合

Notionのデザインはそのまま反映されます。Framer側で調整できるのは、枠の大きさや周囲の余白などに限られます。必要に応じてナビゲーションや装飾をFramer側で整えます。

リアルタイム更新の仕組み

CMS同期の場合

Notionの更新はFramerに「1クリック」で反映されます。記事が承認されたら同期するだけで公開が可能です。

ページ埋め込みの場合

Notionページを更新すれば、そのままFramerサイトにも即時反映されます。スピードは早いものの、デザインの自由度はNotionの仕様に依存します。

連携時の注意点と制限

ここからは、実際に運用していく際の注意点です。デザインの制約やセキュリティ、パフォーマンスに関わる部分をあらかじめ理解しておくと、後で修正に追われずに済みます。

表示形式とレイアウト制限

ページ埋め込みでは、Notionの構造やデザインに依存します。細かいフォント調整やアクセシビリティの設定はFramer側で行えません。そのため、ブランド基準や計測の一貫性を重視する場面ではCMS同期が有利です。

非公開情報の扱い

NotionページをFramerに連携する際、最も注意が必要なのが公開範囲です。Notionの「Share to web」をオンにすると、リンクを知っている人は誰でも内容を閲覧できます。公開してよい情報であれば問題ありませんが、社内向けの資料や顧客に限定したドキュメントを扱う場合はリスクがあります。

Notionはページ単位で閲覧権限を細かく設定できるので、公開用と非公開用でページやデータベースを分けるのが安全です。承認前の記事は「下書きDB」に置き、公開フラグを付けたものだけをFramerに同期する運用にすると、誤って機密情報が公開される事態を防げます。

また、Notion API経由の連携では、接続先のページを明示的に選び、権限を絞ることが可能です。最小権限で設計することで、情報漏えいのリスクを抑えながら安全に運用できます。

パフォーマンスへの影響

埋め込み表示は手軽ですが、ページの読み込み速度に影響することがあります。とくにiFrameを多用すると、ページ全体の表示速度(LCP:Largest Contentful Paint)やレイアウトの安定性(CLS:Cumulative Layout Shift)が悪化しやすくなります。

これを避けるには、以下の工夫が有効です。

  • 埋め込み領域の高さを事前に確保し、レイアウトのズレを防ぐ

  • ページ上部ではなく折り返し以降に配置して体感速度を維持する

  • 更新頻度が高い場合はCMS同期に切り替えて軽量化する

一方、CMS同期ではFramerが直接HTMLを描画するため、表示速度や検索エンジン最適化(SEO)において有利です。サイトの成長を見越して長期的に安定させたい場合は、基本をCMS同期に置くのが理想です。

Framer×Notion連携の活用事例

ここからは実際の利用シーンを紹介します。更新頻度や公開範囲によって、埋め込みとCMS同期の使い分け方が変わります。

コンテンツ管理の効率化

ブログ記事やお知らせページのように、定期的に更新が発生するコンテンツはCMS同期が最適です。Notionで執筆した記事をワンクリックでFramerに反映でき、デザインテンプレートはFramer側で一元管理できます。これにより、編集者はNotionだけを触ればよくなり、デザイナーは表現の工夫に集中できます。結果として、更新までのリードタイムが短縮され、コンテンツの鮮度を高く保てます。

社内ドキュメント共有サイト

社内マニュアルやプロジェクトガイドラインは、Notionの表現を活かしたままFramerで公開する方法が有効です。Embedブロックを使えば、社外に公開せずに特定のユーザーだけに見せる仕組みも作れます。FramerでナビゲーションやUIを統一することで、情報の入り口を整理しつつ、日々の更新はNotionで完結します。

イベントページの自動更新

イベントやセミナーの情報は、最新性が求められる代表例です。Notionデータベースに日時・場所・登壇者・リンクなどを登録しておき、Framerで自動的に一覧表示する仕組みにすれば、更新はNotion編集だけで済みます。告知のスピードを上げながら、ブランドに合ったデザインで発信できる点が強みです。

今後の展望と可能性

FramerとNotionの組み合わせは、単なる「埋め込み」や「CMS同期」にとどまらず、さらに高度な活用へと広がっています。

API連携による高度な自動化

Notion APIを使うと、記事の公開ステータスが変わったタイミングで自動的にFramerへ同期したり、翻訳や画像最適化を組み合わせたワークフローを構築できます。承認フローや通知と連動させることで、運用プロセス全体をスムーズにできます。

他ツールとの連携拡張

ZapierやMakeなどの自動化ツールを組み合わせれば、FramerとNotionの間にGoogle SheetsやAirtableを挟むことも可能です。複数のデータソースを一元管理し、必要な部分だけFramerに流す仕組みを作れば、情報の整理や再利用が一段と進みます。

コンテンツとデザインの完全分離

将来的には、コンテンツはすべてNotionに集約し、Framerはデザインと体験の提供に専念する「完全分離型運用」が主流になる可能性があります。この方式では、公開スピード、ブランド統一、SEO対策のすべてを両立できます。KPIは「公開までの時間」「更新率」「Core Web Vitalsの達成率」などで追うと効果が可視化しやすくなります。

まとめ

FramerとNotionを組み合わせることで、デザインとコンテンツを分けながらもシームレスに運用できます。

  • 短期的にはページ埋め込みでスピードを重視

  • 長期的にはCMS同期で安定と品質を確保

  • セキュリティは権限管理、パフォーマンスはCore Web Vitalsを意識

このように判断基準を持つことで、運用の迷いは少なくなります。チームの役割も明確になり、更新のストレスが減っていくでしょう。

FramerとNotionをうまく連携させることで、制作と運用のバランスを保ちながら、サイトを常に新鮮で価値ある状態に維持できます。

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2024.01.01

更新頻度が高いサイトほど、デザインとコンテンツを分けて運用するメリットが大きくなります。Framerで見せ方を作り、Notionで中身を一元管理することで、更新は早くなり、デザインは保たれ、効果測定も容易になります。本稿では、基本的な設定から実際の活用法、さらに将来的な展望までをわかりやすく整理して解説します。

FramerとNotionの連携とは?

FramerとNotionの接続には大きく2つの方法があります。ひとつはNotionのデータベースをFramerのCMS(コンテンツ管理機能)に同期する「CMS同期」。もうひとつはNotionページをFramerに直接表示する「ページ埋め込み」です。前者は自由度が高く安定しており、後者は導入の速さが特徴です。

まずは両者の違いと利点を理解してから、次章で手順を確認していきます。

連携の概要とメリット

CMS同期は、Notionにある情報(タイトル、日付、タグ、画像など)をFramerのCMSと結びつけ、編集はNotion、デザインはFramerと役割を分けます。テンプレートの変更も影響を受けにくいため、長期運用で安定します。

一方、ページ埋め込みはNotionページをそのままFramerのEmbedブロックに差し込む方法です。外観調整は限られますが、スピード優先で公開したい特設や速報ページには適しています。

主な活用シーン

ブログやニュースのように「同じ構造で更新が多いコンテンツ」はCMS同期で効率化できます。記事をNotionで書き、Framerで一覧や詳細ページを整えれば、更新から公開までがスムーズになります。

一方、社内マニュアルやイベント要項など「Notionの見た目をそのまま活かしたい」場合はページ埋め込みが便利です。短期間のキャンペーンページなどでも活用できます。

連携に必要な条件

CMS同期には、FramerのCMSが使えるプランと、Notionのデータベースに接続できる権限が必要です。プラグインを通じて認可すると、両者のフィールドを結びつけられます。

ページ埋め込みでは、Notionページを「Share to Web」で公開し、URLまたはiFrameコードを取得すればOKです。Framer側のEmbedブロックに貼り付ければ表示できますが、一部ページはセキュリティ設定で制限される場合があります。

FramerとNotionの連携手順

ここからは実際の設定の流れを見ていきます。CMS同期とページ埋め込み、それぞれに必要な準備と操作を順を追って説明します。

Notionページの準備

CMS同期の場合

用途に応じたデータベース(ブログ、イベントなど)をNotionで作成します。推奨フィールドは「タイトル/スラッグ/公開日/タグ/カバー画像/本文」です。少なくとも1件サンプルを入れておくと、Framer側でマッピングしやすくなります。

ページ埋め込みの場合

対象ページを完成させたら「Share to Web」をオンにします。取得できる公開URLやiFrameコードをFramerに貼る準備をします。

Framerでの埋め込み方法

CMS同期の場合

Framerプロジェクトを開き、プラグインからNotionを選択。認可後、対象のデータベースを指定し、フィールドをFramer CMSの項目に対応させます。

ページ埋め込みの場合

Framerの「Embed」ブロックにNotionの公開URLまたはiFrameコードを入力するだけです。ただし一部の外部ページはセキュリティ設定で表示できないこともあります。

カスタムデザインの適用

CMS同期の場合

CMSに同期されたコンテンツを、Framerのカードやリスト、詳細ページなどにバインドします。タグによる絞り込みや日付順の並び替えも可能です。テンプレートを変えるだけで全体にデザインが反映されるため、統一感を保ちやすくなります。

ページ埋め込みの場合

Notionのデザインはそのまま反映されます。Framer側で調整できるのは、枠の大きさや周囲の余白などに限られます。必要に応じてナビゲーションや装飾をFramer側で整えます。

リアルタイム更新の仕組み

CMS同期の場合

Notionの更新はFramerに「1クリック」で反映されます。記事が承認されたら同期するだけで公開が可能です。

ページ埋め込みの場合

Notionページを更新すれば、そのままFramerサイトにも即時反映されます。スピードは早いものの、デザインの自由度はNotionの仕様に依存します。

連携時の注意点と制限

ここからは、実際に運用していく際の注意点です。デザインの制約やセキュリティ、パフォーマンスに関わる部分をあらかじめ理解しておくと、後で修正に追われずに済みます。

表示形式とレイアウト制限

ページ埋め込みでは、Notionの構造やデザインに依存します。細かいフォント調整やアクセシビリティの設定はFramer側で行えません。そのため、ブランド基準や計測の一貫性を重視する場面ではCMS同期が有利です。

非公開情報の扱い

NotionページをFramerに連携する際、最も注意が必要なのが公開範囲です。Notionの「Share to web」をオンにすると、リンクを知っている人は誰でも内容を閲覧できます。公開してよい情報であれば問題ありませんが、社内向けの資料や顧客に限定したドキュメントを扱う場合はリスクがあります。

Notionはページ単位で閲覧権限を細かく設定できるので、公開用と非公開用でページやデータベースを分けるのが安全です。承認前の記事は「下書きDB」に置き、公開フラグを付けたものだけをFramerに同期する運用にすると、誤って機密情報が公開される事態を防げます。

また、Notion API経由の連携では、接続先のページを明示的に選び、権限を絞ることが可能です。最小権限で設計することで、情報漏えいのリスクを抑えながら安全に運用できます。

パフォーマンスへの影響

埋め込み表示は手軽ですが、ページの読み込み速度に影響することがあります。とくにiFrameを多用すると、ページ全体の表示速度(LCP:Largest Contentful Paint)やレイアウトの安定性(CLS:Cumulative Layout Shift)が悪化しやすくなります。

これを避けるには、以下の工夫が有効です。

  • 埋め込み領域の高さを事前に確保し、レイアウトのズレを防ぐ

  • ページ上部ではなく折り返し以降に配置して体感速度を維持する

  • 更新頻度が高い場合はCMS同期に切り替えて軽量化する

一方、CMS同期ではFramerが直接HTMLを描画するため、表示速度や検索エンジン最適化(SEO)において有利です。サイトの成長を見越して長期的に安定させたい場合は、基本をCMS同期に置くのが理想です。

Framer×Notion連携の活用事例

ここからは実際の利用シーンを紹介します。更新頻度や公開範囲によって、埋め込みとCMS同期の使い分け方が変わります。

コンテンツ管理の効率化

ブログ記事やお知らせページのように、定期的に更新が発生するコンテンツはCMS同期が最適です。Notionで執筆した記事をワンクリックでFramerに反映でき、デザインテンプレートはFramer側で一元管理できます。これにより、編集者はNotionだけを触ればよくなり、デザイナーは表現の工夫に集中できます。結果として、更新までのリードタイムが短縮され、コンテンツの鮮度を高く保てます。

社内ドキュメント共有サイト

社内マニュアルやプロジェクトガイドラインは、Notionの表現を活かしたままFramerで公開する方法が有効です。Embedブロックを使えば、社外に公開せずに特定のユーザーだけに見せる仕組みも作れます。FramerでナビゲーションやUIを統一することで、情報の入り口を整理しつつ、日々の更新はNotionで完結します。

イベントページの自動更新

イベントやセミナーの情報は、最新性が求められる代表例です。Notionデータベースに日時・場所・登壇者・リンクなどを登録しておき、Framerで自動的に一覧表示する仕組みにすれば、更新はNotion編集だけで済みます。告知のスピードを上げながら、ブランドに合ったデザインで発信できる点が強みです。

今後の展望と可能性

FramerとNotionの組み合わせは、単なる「埋め込み」や「CMS同期」にとどまらず、さらに高度な活用へと広がっています。

API連携による高度な自動化

Notion APIを使うと、記事の公開ステータスが変わったタイミングで自動的にFramerへ同期したり、翻訳や画像最適化を組み合わせたワークフローを構築できます。承認フローや通知と連動させることで、運用プロセス全体をスムーズにできます。

他ツールとの連携拡張

ZapierやMakeなどの自動化ツールを組み合わせれば、FramerとNotionの間にGoogle SheetsやAirtableを挟むことも可能です。複数のデータソースを一元管理し、必要な部分だけFramerに流す仕組みを作れば、情報の整理や再利用が一段と進みます。

コンテンツとデザインの完全分離

将来的には、コンテンツはすべてNotionに集約し、Framerはデザインと体験の提供に専念する「完全分離型運用」が主流になる可能性があります。この方式では、公開スピード、ブランド統一、SEO対策のすべてを両立できます。KPIは「公開までの時間」「更新率」「Core Web Vitalsの達成率」などで追うと効果が可視化しやすくなります。

まとめ

FramerとNotionを組み合わせることで、デザインとコンテンツを分けながらもシームレスに運用できます。

  • 短期的にはページ埋め込みでスピードを重視

  • 長期的にはCMS同期で安定と品質を確保

  • セキュリティは権限管理、パフォーマンスはCore Web Vitalsを意識

このように判断基準を持つことで、運用の迷いは少なくなります。チームの役割も明確になり、更新のストレスが減っていくでしょう。

FramerとNotionをうまく連携させることで、制作と運用のバランスを保ちながら、サイトを常に新鮮で価値ある状態に維持できます。

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2024.01.01

更新頻度が高いサイトほど、デザインとコンテンツを分けて運用するメリットが大きくなります。Framerで見せ方を作り、Notionで中身を一元管理することで、更新は早くなり、デザインは保たれ、効果測定も容易になります。本稿では、基本的な設定から実際の活用法、さらに将来的な展望までをわかりやすく整理して解説します。

FramerとNotionの連携とは?

FramerとNotionの接続には大きく2つの方法があります。ひとつはNotionのデータベースをFramerのCMS(コンテンツ管理機能)に同期する「CMS同期」。もうひとつはNotionページをFramerに直接表示する「ページ埋め込み」です。前者は自由度が高く安定しており、後者は導入の速さが特徴です。

まずは両者の違いと利点を理解してから、次章で手順を確認していきます。

連携の概要とメリット

CMS同期は、Notionにある情報(タイトル、日付、タグ、画像など)をFramerのCMSと結びつけ、編集はNotion、デザインはFramerと役割を分けます。テンプレートの変更も影響を受けにくいため、長期運用で安定します。

一方、ページ埋め込みはNotionページをそのままFramerのEmbedブロックに差し込む方法です。外観調整は限られますが、スピード優先で公開したい特設や速報ページには適しています。

主な活用シーン

ブログやニュースのように「同じ構造で更新が多いコンテンツ」はCMS同期で効率化できます。記事をNotionで書き、Framerで一覧や詳細ページを整えれば、更新から公開までがスムーズになります。

一方、社内マニュアルやイベント要項など「Notionの見た目をそのまま活かしたい」場合はページ埋め込みが便利です。短期間のキャンペーンページなどでも活用できます。

連携に必要な条件

CMS同期には、FramerのCMSが使えるプランと、Notionのデータベースに接続できる権限が必要です。プラグインを通じて認可すると、両者のフィールドを結びつけられます。

ページ埋め込みでは、Notionページを「Share to Web」で公開し、URLまたはiFrameコードを取得すればOKです。Framer側のEmbedブロックに貼り付ければ表示できますが、一部ページはセキュリティ設定で制限される場合があります。

FramerとNotionの連携手順

ここからは実際の設定の流れを見ていきます。CMS同期とページ埋め込み、それぞれに必要な準備と操作を順を追って説明します。

Notionページの準備

CMS同期の場合

用途に応じたデータベース(ブログ、イベントなど)をNotionで作成します。推奨フィールドは「タイトル/スラッグ/公開日/タグ/カバー画像/本文」です。少なくとも1件サンプルを入れておくと、Framer側でマッピングしやすくなります。

ページ埋め込みの場合

対象ページを完成させたら「Share to Web」をオンにします。取得できる公開URLやiFrameコードをFramerに貼る準備をします。

Framerでの埋め込み方法

CMS同期の場合

Framerプロジェクトを開き、プラグインからNotionを選択。認可後、対象のデータベースを指定し、フィールドをFramer CMSの項目に対応させます。

ページ埋め込みの場合

Framerの「Embed」ブロックにNotionの公開URLまたはiFrameコードを入力するだけです。ただし一部の外部ページはセキュリティ設定で表示できないこともあります。

カスタムデザインの適用

CMS同期の場合

CMSに同期されたコンテンツを、Framerのカードやリスト、詳細ページなどにバインドします。タグによる絞り込みや日付順の並び替えも可能です。テンプレートを変えるだけで全体にデザインが反映されるため、統一感を保ちやすくなります。

ページ埋め込みの場合

Notionのデザインはそのまま反映されます。Framer側で調整できるのは、枠の大きさや周囲の余白などに限られます。必要に応じてナビゲーションや装飾をFramer側で整えます。

リアルタイム更新の仕組み

CMS同期の場合

Notionの更新はFramerに「1クリック」で反映されます。記事が承認されたら同期するだけで公開が可能です。

ページ埋め込みの場合

Notionページを更新すれば、そのままFramerサイトにも即時反映されます。スピードは早いものの、デザインの自由度はNotionの仕様に依存します。

連携時の注意点と制限

ここからは、実際に運用していく際の注意点です。デザインの制約やセキュリティ、パフォーマンスに関わる部分をあらかじめ理解しておくと、後で修正に追われずに済みます。

表示形式とレイアウト制限

ページ埋め込みでは、Notionの構造やデザインに依存します。細かいフォント調整やアクセシビリティの設定はFramer側で行えません。そのため、ブランド基準や計測の一貫性を重視する場面ではCMS同期が有利です。

非公開情報の扱い

NotionページをFramerに連携する際、最も注意が必要なのが公開範囲です。Notionの「Share to web」をオンにすると、リンクを知っている人は誰でも内容を閲覧できます。公開してよい情報であれば問題ありませんが、社内向けの資料や顧客に限定したドキュメントを扱う場合はリスクがあります。

Notionはページ単位で閲覧権限を細かく設定できるので、公開用と非公開用でページやデータベースを分けるのが安全です。承認前の記事は「下書きDB」に置き、公開フラグを付けたものだけをFramerに同期する運用にすると、誤って機密情報が公開される事態を防げます。

また、Notion API経由の連携では、接続先のページを明示的に選び、権限を絞ることが可能です。最小権限で設計することで、情報漏えいのリスクを抑えながら安全に運用できます。

パフォーマンスへの影響

埋め込み表示は手軽ですが、ページの読み込み速度に影響することがあります。とくにiFrameを多用すると、ページ全体の表示速度(LCP:Largest Contentful Paint)やレイアウトの安定性(CLS:Cumulative Layout Shift)が悪化しやすくなります。

これを避けるには、以下の工夫が有効です。

  • 埋め込み領域の高さを事前に確保し、レイアウトのズレを防ぐ

  • ページ上部ではなく折り返し以降に配置して体感速度を維持する

  • 更新頻度が高い場合はCMS同期に切り替えて軽量化する

一方、CMS同期ではFramerが直接HTMLを描画するため、表示速度や検索エンジン最適化(SEO)において有利です。サイトの成長を見越して長期的に安定させたい場合は、基本をCMS同期に置くのが理想です。

Framer×Notion連携の活用事例

ここからは実際の利用シーンを紹介します。更新頻度や公開範囲によって、埋め込みとCMS同期の使い分け方が変わります。

コンテンツ管理の効率化

ブログ記事やお知らせページのように、定期的に更新が発生するコンテンツはCMS同期が最適です。Notionで執筆した記事をワンクリックでFramerに反映でき、デザインテンプレートはFramer側で一元管理できます。これにより、編集者はNotionだけを触ればよくなり、デザイナーは表現の工夫に集中できます。結果として、更新までのリードタイムが短縮され、コンテンツの鮮度を高く保てます。

社内ドキュメント共有サイト

社内マニュアルやプロジェクトガイドラインは、Notionの表現を活かしたままFramerで公開する方法が有効です。Embedブロックを使えば、社外に公開せずに特定のユーザーだけに見せる仕組みも作れます。FramerでナビゲーションやUIを統一することで、情報の入り口を整理しつつ、日々の更新はNotionで完結します。

イベントページの自動更新

イベントやセミナーの情報は、最新性が求められる代表例です。Notionデータベースに日時・場所・登壇者・リンクなどを登録しておき、Framerで自動的に一覧表示する仕組みにすれば、更新はNotion編集だけで済みます。告知のスピードを上げながら、ブランドに合ったデザインで発信できる点が強みです。

今後の展望と可能性

FramerとNotionの組み合わせは、単なる「埋め込み」や「CMS同期」にとどまらず、さらに高度な活用へと広がっています。

API連携による高度な自動化

Notion APIを使うと、記事の公開ステータスが変わったタイミングで自動的にFramerへ同期したり、翻訳や画像最適化を組み合わせたワークフローを構築できます。承認フローや通知と連動させることで、運用プロセス全体をスムーズにできます。

他ツールとの連携拡張

ZapierやMakeなどの自動化ツールを組み合わせれば、FramerとNotionの間にGoogle SheetsやAirtableを挟むことも可能です。複数のデータソースを一元管理し、必要な部分だけFramerに流す仕組みを作れば、情報の整理や再利用が一段と進みます。

コンテンツとデザインの完全分離

将来的には、コンテンツはすべてNotionに集約し、Framerはデザインと体験の提供に専念する「完全分離型運用」が主流になる可能性があります。この方式では、公開スピード、ブランド統一、SEO対策のすべてを両立できます。KPIは「公開までの時間」「更新率」「Core Web Vitalsの達成率」などで追うと効果が可視化しやすくなります。

まとめ

FramerとNotionを組み合わせることで、デザインとコンテンツを分けながらもシームレスに運用できます。

  • 短期的にはページ埋め込みでスピードを重視

  • 長期的にはCMS同期で安定と品質を確保

  • セキュリティは権限管理、パフォーマンスはCore Web Vitalsを意識

このように判断基準を持つことで、運用の迷いは少なくなります。チームの役割も明確になり、更新のストレスが減っていくでしょう。

FramerとNotionをうまく連携させることで、制作と運用のバランスを保ちながら、サイトを常に新鮮で価値ある状態に維持できます。

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