UI/UXデザイナーの転職時の職務経歴書の書き方

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UI/UXデザイナーの転職時の職務経歴書の書き方

投稿日:

2024.01.01

UI/UXデザイナーが転職活動を行う際、職務経歴書(レジュメ)とポートフォリオは合否を大きく左右します。単なる作品や経歴の羅列ではなく、採用担当者に「この人なら成果を再現できる」と思わせることが重要です。特にUI/UXデザインでは、課題の設定からアプローチ、結果、そして学びに至るまでの流れを伝える力が問われます。本記事では、実務経験を持つデザイナーが転職市場で評価されるためのレジュメとポートフォリオの作り方を、具体例を交えて解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

UI/UXデザイナーのレジュメ・ポートフォリオの基本

レジュメとポートフォリオの違いと役割

レジュメは、経歴やスキルを短時間で把握できるようにまとめた職務経歴書です。採用担当者はまずここに目を通し、30秒ほどで「自社に合いそうかどうか」を判断します。そのため、職務要約や直近のプロジェクト、得意な領域を簡潔に示し、全体像がすぐに伝わるように構成することが求められます。

一方でポートフォリオは、実際に関わったプロジェクトを具体的にまとめた資料です。完成したUIの見た目だけでなく、どんな課題があり、どのように調査や検証を行い、どんな意思決定を経て結果に至ったのかまでを示す必要があります。そうすることで、問題解決のプロセスや成果を再現できる力が伝わります。

採用担当者が見ているポイント

UI/UXデザイナーの選考では「何をやったか」だけでなく「どう考えたか」が評価の中心になります。採用担当者はまず職務要約で適合度を確認し、その後に直近の案件を見て成果が具体的に数字で示されているかを確かめます。たとえば「CVRを12%から18%に改善した」といった表現は強い印象を与えます。さらに、調査やデータに基づいた意思決定の根拠が書かれているか、そしてその経験が別の案件でも活きることが想像できるかどうかを見極めています。

レジュメの基本構成と必須項目

職務経歴書に盛り込むべき要素はいくつかあります。まずは氏名や連絡先、ポートフォリオのURLといった基本情報です。そのうえで、冒頭に3〜5行程度の職務要約を置き、専門分野や得意な領域、直近の成果を端的に示します。この部分を読むだけで「自社の要件に合っている」と採用担当者に感じさせることができれば、次の選考へ進む可能性は高まります。

続いて、職務経歴は時系列に沿って整理し、会社名やプロジェクト名、在籍期間、雇用形態、チーム規模、担当範囲、そして成果を簡潔に記載します。スキルについては、調査、情報設計、プロトタイピング、UIデザイン、ユーザビリティテストといった要素を体系的にまとめ、自分の強みがどこにあるのかを明確に示すことが大切です。さらに、社内での表彰や登壇、受賞歴などがあれば、実績として補足することで専門家としての信頼感を高められます。

経験とスキルの効果的な書き方

職務経歴書に経験やスキルを記載する際は、ただの作業リストにならないように注意が必要です。採用担当者が知りたいのは「どんな背景で取り組み、どのように成果を出したか」であり、その情報を端的にまとめられるかどうかが評価につながります。

  1. 行動は動詞で始める

  2. 目的と成果を一文で結びつける

  3. 成果は数値で示す

  4. 判断の根拠を補足する

プロジェクト実績の記載方法

職務経歴書やポートフォリオにプロジェクトの実績を記載する際は、「どんな課題に対して、どのように取り組み、どんな成果を出したのか」を一連の流れで伝えることが重要です。単に「担当しました」と書くだけでは再現性や実力が伝わらないため、採用担当者が知りたい粒度に落とし込む必要があります。

  1. 構成は「課題 → 行動 → 結果」でまとめる

  2. 担当範囲と関与度を明記する

  3. 成果指標は定量と定性を組み合わせる

  4. プロジェクトごとのボリュームを調整する

ターゲット企業に合わせたポートフォリオ作成

ポートフォリオは一度作って終わりではなく、応募する企業やポジションに合わせて内容を調整することが必要です。同じ実績でも、どの部分を強調するかで伝わり方は大きく変わります。

  1. 事業会社向け

  2. 制作会社・コンサルティング会社向け

  3. 志望動機との一貫性

ポートフォリオ選定と構成の考え方

ポートフォリオは案件をただ並べれば良いわけではありません。自分の強みを最も伝えられるものを選び、適切な順序で提示することが重要です。

  1. 案件は厳選する

  2. ストーリー性を意識する

  3. 冒頭に強みを示す案件を配置する

  4. デザインの見せ方に注意する

レジュメ(職務経歴書)を作成する際のコツ

実務経験の効果的な見せ方

実務経験をただ並べるだけでは十分に伝わりません。大切なのは、自分の役割と判断が成果につながったことを明確に示すことです。たとえば「デザインシステムを導入」ではなく、「デザインシステムを導入し、UI実装にかかる工数を30%削減」といったように、行動と成果をセットで書くことが望ましいです。また、調査や検証を行った場合は、具体的な方法と規模を記載します。「ユーザビリティテスト(参加者5名)」「アンケート調査(回答数1,200件)」のように示せば、意思決定の根拠が客観的に伝わります。

キャリアアップのストーリー構築

職務経歴書全体を一貫したストーリーとして設計することも重要です。過去、現在、そして未来の3段階に整理すると、説得力が高まります。過去ではスキルを形成した経験や強みが育った背景を、現在では直近の案件での役割や成果を、未来では応募先でどのように貢献できるかを記載します。たとえば「ECサイトで情報設計の改善を行い、CVRを向上させた経験を活かし、今後は新規事業の立ち上げにおいてユーザー体験をリードしたい」という流れです。採用担当者は「これまでの経験が応募先の未来にどうつながるか」を重視しているため、一貫性を持たせることが評価につながります。

守秘義務との両立

転職市場では実績を具体的に示すことが求められますが、同時に守秘義務の配慮も欠かせません。実際の社名や数値を出せない場合には、工夫が必要です。数値は比率や増減幅に置き換える(「CVRを20%改善」「離脱率を半分に削減」など)、社名は「大手ECサイト」「国内金融サービス」といった表現に変えるのが安全です。UIの画面を公開できない場合は、構造を簡略化した図やモックを再作成し、プロセスの流れを示すだけでも十分にアピールできます。

ポートフォリオとレジュメ(職務経歴書)作成におけるよくある失敗と対策

情報過多と焦点の欠如

ありがちな失敗のひとつが、案件やスキルを詰め込みすぎて焦点がぼやけることです。10件以上の案件を並べると「何が得意なのか」が見えにくくなります。応募先の要件に合わせて3〜5件に絞り込み、特に強調したい2件は詳細に、残りは概要だけに留めると読みやすくなります。案件ごとに注目する指標も1つに絞り、「CVR改善」「継続率向上」といった形で焦点を定めることで、採用担当は評価しやすくなります。

プロセスの軽視と結果偏重

成果だけを強調し、プロセスを省いてしまうのもよくあるミスです。UIがきれいに仕上がっていても「なぜそのデザインになったのか」が示されなければ、意思決定の力は伝わりません。調査やユーザビリティテストの結果、データ分析の知見、関係者との合意形成など、背景にあるプロセスを簡潔に添えることで、再現性のあるスキルとして評価されます。

自己満足と客観性の欠如

「使いやすくなった」「見やすく改善した」といった主観的な表現に終始すると、自己満足に見えてしまいます。そこで役立つのが客観的な指標です。CVR(コンバージョン率)、CSAT(顧客満足度)、NPS(推奨度)、継続率などの数値を用いると、成果が裏付けられます。また、ユーザーの声や第三者の評価、社内でのフィードバックを引用すれば、より信頼性が高まります。

まとめ

UI/UXデザイナーの転職では、レジュメとポートフォリオが合否を左右します。 レジュメは職務要約・経歴・スキル・実績を整理し、短時間で強みを伝えることが大切です。

ポートフォリオは成果物の見映えだけでなく、課題の捉え方や解決プロセスを示すことが評価につながります。よくある失敗は「情報過多」「プロセス不足」「主観的すぎる説明」です。

数字やユーザーの声など客観的な根拠を添えることで、再現性のある人材と伝えられます。また、応募先に合わせてポートフォリオをカスタマイズし、キャリアを一貫したストーリーとして設計することが成功の鍵です。


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UI/UXデザイナーが転職活動を行う際、職務経歴書(レジュメ)とポートフォリオは合否を大きく左右します。単なる作品や経歴の羅列ではなく、採用担当者に「この人なら成果を再現できる」と思わせることが重要です。特にUI/UXデザインでは、課題の設定からアプローチ、結果、そして学びに至るまでの流れを伝える力が問われます。本記事では、実務経験を持つデザイナーが転職市場で評価されるためのレジュメとポートフォリオの作り方を、具体例を交えて解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

UI/UXデザイナーのレジュメ・ポートフォリオの基本

レジュメとポートフォリオの違いと役割

レジュメは、経歴やスキルを短時間で把握できるようにまとめた職務経歴書です。採用担当者はまずここに目を通し、30秒ほどで「自社に合いそうかどうか」を判断します。そのため、職務要約や直近のプロジェクト、得意な領域を簡潔に示し、全体像がすぐに伝わるように構成することが求められます。

一方でポートフォリオは、実際に関わったプロジェクトを具体的にまとめた資料です。完成したUIの見た目だけでなく、どんな課題があり、どのように調査や検証を行い、どんな意思決定を経て結果に至ったのかまでを示す必要があります。そうすることで、問題解決のプロセスや成果を再現できる力が伝わります。

採用担当者が見ているポイント

UI/UXデザイナーの選考では「何をやったか」だけでなく「どう考えたか」が評価の中心になります。採用担当者はまず職務要約で適合度を確認し、その後に直近の案件を見て成果が具体的に数字で示されているかを確かめます。たとえば「CVRを12%から18%に改善した」といった表現は強い印象を与えます。さらに、調査やデータに基づいた意思決定の根拠が書かれているか、そしてその経験が別の案件でも活きることが想像できるかどうかを見極めています。

レジュメの基本構成と必須項目

職務経歴書に盛り込むべき要素はいくつかあります。まずは氏名や連絡先、ポートフォリオのURLといった基本情報です。そのうえで、冒頭に3〜5行程度の職務要約を置き、専門分野や得意な領域、直近の成果を端的に示します。この部分を読むだけで「自社の要件に合っている」と採用担当者に感じさせることができれば、次の選考へ進む可能性は高まります。

続いて、職務経歴は時系列に沿って整理し、会社名やプロジェクト名、在籍期間、雇用形態、チーム規模、担当範囲、そして成果を簡潔に記載します。スキルについては、調査、情報設計、プロトタイピング、UIデザイン、ユーザビリティテストといった要素を体系的にまとめ、自分の強みがどこにあるのかを明確に示すことが大切です。さらに、社内での表彰や登壇、受賞歴などがあれば、実績として補足することで専門家としての信頼感を高められます。

経験とスキルの効果的な書き方

職務経歴書に経験やスキルを記載する際は、ただの作業リストにならないように注意が必要です。採用担当者が知りたいのは「どんな背景で取り組み、どのように成果を出したか」であり、その情報を端的にまとめられるかどうかが評価につながります。

  1. 行動は動詞で始める

  2. 目的と成果を一文で結びつける

  3. 成果は数値で示す

  4. 判断の根拠を補足する

プロジェクト実績の記載方法

職務経歴書やポートフォリオにプロジェクトの実績を記載する際は、「どんな課題に対して、どのように取り組み、どんな成果を出したのか」を一連の流れで伝えることが重要です。単に「担当しました」と書くだけでは再現性や実力が伝わらないため、採用担当者が知りたい粒度に落とし込む必要があります。

  1. 構成は「課題 → 行動 → 結果」でまとめる

  2. 担当範囲と関与度を明記する

  3. 成果指標は定量と定性を組み合わせる

  4. プロジェクトごとのボリュームを調整する

ターゲット企業に合わせたポートフォリオ作成

ポートフォリオは一度作って終わりではなく、応募する企業やポジションに合わせて内容を調整することが必要です。同じ実績でも、どの部分を強調するかで伝わり方は大きく変わります。

  1. 事業会社向け

  2. 制作会社・コンサルティング会社向け

  3. 志望動機との一貫性

ポートフォリオ選定と構成の考え方

ポートフォリオは案件をただ並べれば良いわけではありません。自分の強みを最も伝えられるものを選び、適切な順序で提示することが重要です。

  1. 案件は厳選する

  2. ストーリー性を意識する

  3. 冒頭に強みを示す案件を配置する

  4. デザインの見せ方に注意する

レジュメ(職務経歴書)を作成する際のコツ

実務経験の効果的な見せ方

実務経験をただ並べるだけでは十分に伝わりません。大切なのは、自分の役割と判断が成果につながったことを明確に示すことです。たとえば「デザインシステムを導入」ではなく、「デザインシステムを導入し、UI実装にかかる工数を30%削減」といったように、行動と成果をセットで書くことが望ましいです。また、調査や検証を行った場合は、具体的な方法と規模を記載します。「ユーザビリティテスト(参加者5名)」「アンケート調査(回答数1,200件)」のように示せば、意思決定の根拠が客観的に伝わります。

キャリアアップのストーリー構築

職務経歴書全体を一貫したストーリーとして設計することも重要です。過去、現在、そして未来の3段階に整理すると、説得力が高まります。過去ではスキルを形成した経験や強みが育った背景を、現在では直近の案件での役割や成果を、未来では応募先でどのように貢献できるかを記載します。たとえば「ECサイトで情報設計の改善を行い、CVRを向上させた経験を活かし、今後は新規事業の立ち上げにおいてユーザー体験をリードしたい」という流れです。採用担当者は「これまでの経験が応募先の未来にどうつながるか」を重視しているため、一貫性を持たせることが評価につながります。

守秘義務との両立

転職市場では実績を具体的に示すことが求められますが、同時に守秘義務の配慮も欠かせません。実際の社名や数値を出せない場合には、工夫が必要です。数値は比率や増減幅に置き換える(「CVRを20%改善」「離脱率を半分に削減」など)、社名は「大手ECサイト」「国内金融サービス」といった表現に変えるのが安全です。UIの画面を公開できない場合は、構造を簡略化した図やモックを再作成し、プロセスの流れを示すだけでも十分にアピールできます。

ポートフォリオとレジュメ(職務経歴書)作成におけるよくある失敗と対策

情報過多と焦点の欠如

ありがちな失敗のひとつが、案件やスキルを詰め込みすぎて焦点がぼやけることです。10件以上の案件を並べると「何が得意なのか」が見えにくくなります。応募先の要件に合わせて3〜5件に絞り込み、特に強調したい2件は詳細に、残りは概要だけに留めると読みやすくなります。案件ごとに注目する指標も1つに絞り、「CVR改善」「継続率向上」といった形で焦点を定めることで、採用担当は評価しやすくなります。

プロセスの軽視と結果偏重

成果だけを強調し、プロセスを省いてしまうのもよくあるミスです。UIがきれいに仕上がっていても「なぜそのデザインになったのか」が示されなければ、意思決定の力は伝わりません。調査やユーザビリティテストの結果、データ分析の知見、関係者との合意形成など、背景にあるプロセスを簡潔に添えることで、再現性のあるスキルとして評価されます。

自己満足と客観性の欠如

「使いやすくなった」「見やすく改善した」といった主観的な表現に終始すると、自己満足に見えてしまいます。そこで役立つのが客観的な指標です。CVR(コンバージョン率)、CSAT(顧客満足度)、NPS(推奨度)、継続率などの数値を用いると、成果が裏付けられます。また、ユーザーの声や第三者の評価、社内でのフィードバックを引用すれば、より信頼性が高まります。

まとめ

UI/UXデザイナーの転職では、レジュメとポートフォリオが合否を左右します。 レジュメは職務要約・経歴・スキル・実績を整理し、短時間で強みを伝えることが大切です。

ポートフォリオは成果物の見映えだけでなく、課題の捉え方や解決プロセスを示すことが評価につながります。よくある失敗は「情報過多」「プロセス不足」「主観的すぎる説明」です。

数字やユーザーの声など客観的な根拠を添えることで、再現性のある人材と伝えられます。また、応募先に合わせてポートフォリオをカスタマイズし、キャリアを一貫したストーリーとして設計することが成功の鍵です。


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2024.01.01

UI/UXデザイナーが転職活動を行う際、職務経歴書(レジュメ)とポートフォリオは合否を大きく左右します。単なる作品や経歴の羅列ではなく、採用担当者に「この人なら成果を再現できる」と思わせることが重要です。特にUI/UXデザインでは、課題の設定からアプローチ、結果、そして学びに至るまでの流れを伝える力が問われます。本記事では、実務経験を持つデザイナーが転職市場で評価されるためのレジュメとポートフォリオの作り方を、具体例を交えて解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

UI/UXデザイナーのレジュメ・ポートフォリオの基本

レジュメとポートフォリオの違いと役割

レジュメは、経歴やスキルを短時間で把握できるようにまとめた職務経歴書です。採用担当者はまずここに目を通し、30秒ほどで「自社に合いそうかどうか」を判断します。そのため、職務要約や直近のプロジェクト、得意な領域を簡潔に示し、全体像がすぐに伝わるように構成することが求められます。

一方でポートフォリオは、実際に関わったプロジェクトを具体的にまとめた資料です。完成したUIの見た目だけでなく、どんな課題があり、どのように調査や検証を行い、どんな意思決定を経て結果に至ったのかまでを示す必要があります。そうすることで、問題解決のプロセスや成果を再現できる力が伝わります。

採用担当者が見ているポイント

UI/UXデザイナーの選考では「何をやったか」だけでなく「どう考えたか」が評価の中心になります。採用担当者はまず職務要約で適合度を確認し、その後に直近の案件を見て成果が具体的に数字で示されているかを確かめます。たとえば「CVRを12%から18%に改善した」といった表現は強い印象を与えます。さらに、調査やデータに基づいた意思決定の根拠が書かれているか、そしてその経験が別の案件でも活きることが想像できるかどうかを見極めています。

レジュメの基本構成と必須項目

職務経歴書に盛り込むべき要素はいくつかあります。まずは氏名や連絡先、ポートフォリオのURLといった基本情報です。そのうえで、冒頭に3〜5行程度の職務要約を置き、専門分野や得意な領域、直近の成果を端的に示します。この部分を読むだけで「自社の要件に合っている」と採用担当者に感じさせることができれば、次の選考へ進む可能性は高まります。

続いて、職務経歴は時系列に沿って整理し、会社名やプロジェクト名、在籍期間、雇用形態、チーム規模、担当範囲、そして成果を簡潔に記載します。スキルについては、調査、情報設計、プロトタイピング、UIデザイン、ユーザビリティテストといった要素を体系的にまとめ、自分の強みがどこにあるのかを明確に示すことが大切です。さらに、社内での表彰や登壇、受賞歴などがあれば、実績として補足することで専門家としての信頼感を高められます。

経験とスキルの効果的な書き方

職務経歴書に経験やスキルを記載する際は、ただの作業リストにならないように注意が必要です。採用担当者が知りたいのは「どんな背景で取り組み、どのように成果を出したか」であり、その情報を端的にまとめられるかどうかが評価につながります。

  1. 行動は動詞で始める

  2. 目的と成果を一文で結びつける

  3. 成果は数値で示す

  4. 判断の根拠を補足する

プロジェクト実績の記載方法

職務経歴書やポートフォリオにプロジェクトの実績を記載する際は、「どんな課題に対して、どのように取り組み、どんな成果を出したのか」を一連の流れで伝えることが重要です。単に「担当しました」と書くだけでは再現性や実力が伝わらないため、採用担当者が知りたい粒度に落とし込む必要があります。

  1. 構成は「課題 → 行動 → 結果」でまとめる

  2. 担当範囲と関与度を明記する

  3. 成果指標は定量と定性を組み合わせる

  4. プロジェクトごとのボリュームを調整する

ターゲット企業に合わせたポートフォリオ作成

ポートフォリオは一度作って終わりではなく、応募する企業やポジションに合わせて内容を調整することが必要です。同じ実績でも、どの部分を強調するかで伝わり方は大きく変わります。

  1. 事業会社向け

  2. 制作会社・コンサルティング会社向け

  3. 志望動機との一貫性

ポートフォリオ選定と構成の考え方

ポートフォリオは案件をただ並べれば良いわけではありません。自分の強みを最も伝えられるものを選び、適切な順序で提示することが重要です。

  1. 案件は厳選する

  2. ストーリー性を意識する

  3. 冒頭に強みを示す案件を配置する

  4. デザインの見せ方に注意する

レジュメ(職務経歴書)を作成する際のコツ

実務経験の効果的な見せ方

実務経験をただ並べるだけでは十分に伝わりません。大切なのは、自分の役割と判断が成果につながったことを明確に示すことです。たとえば「デザインシステムを導入」ではなく、「デザインシステムを導入し、UI実装にかかる工数を30%削減」といったように、行動と成果をセットで書くことが望ましいです。また、調査や検証を行った場合は、具体的な方法と規模を記載します。「ユーザビリティテスト(参加者5名)」「アンケート調査(回答数1,200件)」のように示せば、意思決定の根拠が客観的に伝わります。

キャリアアップのストーリー構築

職務経歴書全体を一貫したストーリーとして設計することも重要です。過去、現在、そして未来の3段階に整理すると、説得力が高まります。過去ではスキルを形成した経験や強みが育った背景を、現在では直近の案件での役割や成果を、未来では応募先でどのように貢献できるかを記載します。たとえば「ECサイトで情報設計の改善を行い、CVRを向上させた経験を活かし、今後は新規事業の立ち上げにおいてユーザー体験をリードしたい」という流れです。採用担当者は「これまでの経験が応募先の未来にどうつながるか」を重視しているため、一貫性を持たせることが評価につながります。

守秘義務との両立

転職市場では実績を具体的に示すことが求められますが、同時に守秘義務の配慮も欠かせません。実際の社名や数値を出せない場合には、工夫が必要です。数値は比率や増減幅に置き換える(「CVRを20%改善」「離脱率を半分に削減」など)、社名は「大手ECサイト」「国内金融サービス」といった表現に変えるのが安全です。UIの画面を公開できない場合は、構造を簡略化した図やモックを再作成し、プロセスの流れを示すだけでも十分にアピールできます。

ポートフォリオとレジュメ(職務経歴書)作成におけるよくある失敗と対策

情報過多と焦点の欠如

ありがちな失敗のひとつが、案件やスキルを詰め込みすぎて焦点がぼやけることです。10件以上の案件を並べると「何が得意なのか」が見えにくくなります。応募先の要件に合わせて3〜5件に絞り込み、特に強調したい2件は詳細に、残りは概要だけに留めると読みやすくなります。案件ごとに注目する指標も1つに絞り、「CVR改善」「継続率向上」といった形で焦点を定めることで、採用担当は評価しやすくなります。

プロセスの軽視と結果偏重

成果だけを強調し、プロセスを省いてしまうのもよくあるミスです。UIがきれいに仕上がっていても「なぜそのデザインになったのか」が示されなければ、意思決定の力は伝わりません。調査やユーザビリティテストの結果、データ分析の知見、関係者との合意形成など、背景にあるプロセスを簡潔に添えることで、再現性のあるスキルとして評価されます。

自己満足と客観性の欠如

「使いやすくなった」「見やすく改善した」といった主観的な表現に終始すると、自己満足に見えてしまいます。そこで役立つのが客観的な指標です。CVR(コンバージョン率)、CSAT(顧客満足度)、NPS(推奨度)、継続率などの数値を用いると、成果が裏付けられます。また、ユーザーの声や第三者の評価、社内でのフィードバックを引用すれば、より信頼性が高まります。

まとめ

UI/UXデザイナーの転職では、レジュメとポートフォリオが合否を左右します。 レジュメは職務要約・経歴・スキル・実績を整理し、短時間で強みを伝えることが大切です。

ポートフォリオは成果物の見映えだけでなく、課題の捉え方や解決プロセスを示すことが評価につながります。よくある失敗は「情報過多」「プロセス不足」「主観的すぎる説明」です。

数字やユーザーの声など客観的な根拠を添えることで、再現性のある人材と伝えられます。また、応募先に合わせてポートフォリオをカスタマイズし、キャリアを一貫したストーリーとして設計することが成功の鍵です。


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